中国が打ち上げを目指している月着陸・ローバー探査機「嫦娥3号」について、このほど科学的なミッションの内容がわかってきました。科技日報が18日に伝えた内容を人民網日本語版が報道しています。
それによると、嫦娥3号は着陸機とローバーからなり、ローバーは約90日間にわたって月面での活動を行います。調査範囲は5平方キロの範囲となります。また、表土を直接分析すると共に、結果も直接地球へと送信されるとのことです。
科学的なミッションとして主要なものとして挙げられているのは、
- レーダーを利用した表土の厚さ(1〜30メートル)の測定と地殻構造(1〜3000メートル)の測定
- 着陸機からの電波による月−地球間の距離の精密な測定
- 電波及びプラズマの観測
- 月面からの天文観測
となっています。
(編集長注) 月地殻探査については、「かぐや」においても、レーダーによる探査が行われていました。今回の嫦娥3号における探査では、3000メートルという深さが出てきましたが、これは月の深部レゴリス(「メガレゴリス」といわれています)の深さと考えられます。また、着陸場所が海である場合には、海の溶岩の底の部分までをターゲットにするということが考えられます。なお、レーダーは周回機に搭載されると考えられますが、この周回機、あるいは周回時の状況についての詳しい内容は記事には記されていません。
・人民網日本語版の記事
http://j.people.com.cn/95952/7709855.html
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/