中国の月探査機嫦娥3号は、12月14日午後9時13分(中国標準時。日本時間では同日午後10時13分)、探査機を月面に軟着陸させることに成功しました。

現地時間の午後9時頃より、探査機は降下を開始、月面の「雨の海」と呼ばれる海(いわゆる「うさぎ」の頭から耳にあたる部分です)の中の「虹の入り江」と呼ばれる場所に着陸しました。
嫦娥3号はそれまでにも、近月点(月に最も近い点)15キロメートル、遠月店(月から最も遠い点)100キロメートルの軌道に入っていましたが、まず15キロメートルの高さの地点でロケットを逆噴射して減速、さらに上空3キロでは姿勢などを制御し、2.4キロ地点で着陸地点へと向かい、着陸点上空100メートルで降下体制に入ります。最終的に30メートル上空で障害物などがないかどうかを検知し、最終的にゆっくりと着陸します。

嫦娥3号の月着陸シーケンス

嫦娥3号の月着陸の動き(英語)。出典: http://news.xinhuanet.com/english/photo/2013-12/14/c_132968271.htm

嫦娥3号は12月2日に打ち上げられ、月には12月6日に到着、その後、月を周回する軌道に入り、着陸に向けての準備を続けてきました。そして、12月14日に無事、着陸に成功しました。

無人での月面への着陸は旧ソ連、アメリカに続いて世界で3カ国目となります。また、月への無人軟着陸は、旧ソ連の最後の月探査となったルナ24号(1976年)以来、実に37年ぶりとなります。
探査機はこのあとローバー「玉兎」(ぎょくと。現地の発音では「ユートゥー」)を着陸機から引き出し、月面における本格的な活動を開始することになります。

嫦娥3号撮影の月面とCG

嫦娥3号が着陸直前に撮影した月面の様子と、コンピュータ・グラフィックによる探査機の様子。出典: http://news.xinhuanet.com/english/china/2013-12/14/c_132968240_2.htm

【12月18日午前11時30分追記: 着陸場所を「嵐の大洋の虹の入り江」と記述しておりましたが、これは「雨の海の虹の入り江」が正しい位置です。訂正します。また、ウサギの体に例えた部分も、最初は「胴体」としておりましたが、位置からしますと頭から耳の方が適切と考えられますので、修正します。】