先日打ち上げられた中国の月探査機「嫦娥3号」は、無事、月周回軌道に入りました。ここでは新華社の英語版の記事を引用しましょう。

記事によると、月周回軌道への投入は中国標準時で12月6日午後5時53分(日本時間では同日午後6時53分)で、周回軌道に入るための361秒にわたるエンジン噴射を無事行って減速、周回軌道への投入に成功したとのことです。
周回軌道に入るためには減速が重要で、これにより天体の引力に従った軌道へと変化できることになります。この減速に失敗すると、探査機はあらぬ方向へ飛んでいくことになりかねません。みなさんも、2010年の金星探査機「あかつき」の減速失敗による金星周回軌道投入失敗を覚えていらっしゃるでしょう。

嫦娥3号は、これで月着陸に向けての重要なステップを超えたことになります。このあとは軌道を徐々に変更して一旦高度100キロの円軌道へ入り、その後近月点(月に近い点)が15キロの軌道へと移り、最終的に着陸は14日になる予定です。