テキサス州ザ・ウッドランズで開催されていた月惑星科学会議(LPSC)は、現地時間の23日(金曜日)ですべての日程を終了しました。
主催者の月惑星研究所(LPI)によると、今回の学会の登録者(参加者)は1761人に達し、35カ国からの参加者を迎えたとのことです。
海外の参加者としては、日本人の参加者も大変多かったようです。この傾向は十数年前から続いていますが、海外勢としては確実に上位に属すると思われます。
これに加え、今年特に目立ったのは中国からの参加者でした。とりわけ、アメリカの大学や研究機関に滞在している中国人、あるいは中国系研究者だけではなく、中国本土から参加している研究者、学生が非常に目立ちました。
今回は、昨年3月に水星周回軌道に入り、現在も観測を続けているメッセンジャー、昨年8月に小惑星ベスタの周回軌道に入ったドーンなどの新しい探査の発表が注目を集めていました。しかしそれだけではなく、隕石の分析や火星の表層環境についての発表などの基礎的な研究についての発表も数多く行われていました。また、これまでの探査により得られた結果の分析も行われていました。
一方、NASAの月・惑星探査予算の削減は、会議全体にも暗い影を落とすことになりました。参加者の多くが将来の月・惑星探査計画の不安を口にし、以前の記事にあったように、月曜日のNASAタウンミーティングでは、NASA関係者に不満が噴出するという状況もみられました。
これまでの探査の結果の解析が今後どのように花開くかどうかが期待されると共に、今後の惑星探査について、いわば「冬の時代へ」と向かう状況をどのように打開していくか、今後の宇宙開発機関や科学者の取り組みが注目されるといえるでしょう。
なお、来年の月惑星探査会議は、2013年3月18〜22日、同じくテキサス州のザ・ウッドランズ(今回と同じ会場)で開催される予定です。
・第43回月惑星科学会議のサイト (月惑星科学研究所)
http://www.lpi.usra.edu/meetings/lpsc2012/
・第44回月惑星会議のサイト (月惑星科学研究所) ※また日程のアナウンスのみ
http://www.lpi.usra.edu/meetings/lpsc2013/
・メッセンジャー (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/pex_world/MESSENGER/
・ドーン (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/pex_world/Dawn/