テキサス州南部を襲った大型ハリケーン「ハービー」の影響で、テキサス州南部の都市は大規模な水害に襲われています。

テキサス州南部の大都市といえば、人口230万(周辺郡を含めれば400万以上)と、アメリカで4番目に多い人口を誇るヒューストンですが、このヒューストンも現在、大水害のまっただ中にあります。アメリカのテレビ局は連日、ヒューストンの水害の状況と、その救助作業、避難の様子などをトップニュース、というよりずっと流し続けています。

さてヒューストンといえば「こちらヒューストン」でおなじみのNASAジョンソン宇宙センター(JSC)が所在するところです。私(編集長)もよく行くところですが、やはりこの水害の影響を免れることはできず、27日から閉鎖されているとのことです。以下、JSCの緊急連絡用のツイッター、@JSCSOSのツイート。時系列的に並べてみます。日付・時間に注意してください。

現時点(日本時間30日午前9時、ヒューストンの中央標準時では29日午後7時)時点でもジョンソン宇宙センターは閉鎖されており、ミッションの継続や救助などで特別に必要とされる人以外は立ち入りができなくなっています。また入口も1箇所に制限されています。現時点では「呼ばれた人以外は来るな」という状況になっているようです。
なお、JSCの緊急用連絡サイトでは、(少なくとも)9月4日(月曜日)までは閉鎖を継続し、5日より再開するとのことです。

報道では、ヒューストンの降水量は降り始めからすでに1200ミリを超えたとのことで、日本でもまず経験したことのない(さらにいえば大都会ではまず経験しないような)すさまじい大豪雨となっています。JSCといえどこの影響を免れることはもちろんできません。
また編集長としては、JSCは比較的低地(すぐ隣に「クリアレイク」という湖があるくらいです)に位置しているため、洪水や溢水などによって浸水してしまう可能性があるのではないかと心配しています。

JSCはNASAの宇宙センターとしては、有人宇宙活動を中心に担っていますが、一方では月・惑星探査により地球外から集められた試料(例えば月の石など)を保管・分析する「地球外物質保管・分析センター」を持つ、月・惑星探査にとっても重要な部署でもあります。こういった人類にとっての貴重な試料が洪水によって被害を受けないことを祈りたいと思います。

現時点でも状況は刻々と変化しており、またハリケーンから変わった熱帯低気圧も動きが遅く、テキサス州西部から東隣のルイジアナ州周辺に居座るとの予想が出ています。今後さらに雨が降り、被害が拡大する可能性もあります。
様子を見守ると共に、一日も早い復興、復旧を願っています。
月探査情報ステーションでも状況は随時お伝えしていく予定です。

[お願い]ヒューストン現地は大変混乱していると報道されています。また、行方不明者・救助要請者の救助・収容が現在もっとも重要な課題です。また、市民の皆さんの安全も重要です。上記2つのうち、緊急用サイトは、JSCの職員に向けたサイトです。従って、JSC職員などの利用を優先し、不要なリプライやコメント、サイトへの書き込みなどを実施することはお控えください。

[追記]当初記事で「9月5日まで閉鎖」とありましたが、JSCのツイートによると、閉鎖は4日までで、5日より再開するとのことです。ブログ記事を書き換えると共に、JSCの公式ツイートも参考に追加しました。