JAXAは5日、12月3日に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」が、クリティカルフェーズを終了したと発表しました。
クリティカルフェーズとは、衛星が打ち上げ後、「独り立ち」するために必要な種々の機能を立ち上げていく段階です。例えば、太陽電池パネルを開いて、衛星が自身で必要な電力を確保したり、地上との通信を行うための電波送受信装置が正常に働いていることを確認する、といった一連の手順がこの期間に行われます。
この手順の中でもし1つでも問題が発生した場合には、その後の衛星運用に重大な影響を与えてしまうことになります。そのため、クリティカル(英語でcritical=重要な)フェーズ(phase=期間)と呼ばれています。
なお、このクリティカルフェーズ時には、「はやぶさ2」の心臓部といってよい、サンプル採取用のサンプラーホーンの伸展(伸ばすこと)も行われましたが、今回、この様子もカメラに収めることに成功しました。なお、このカメラは、「はやぶさ2」計画へのJAXAへの一般の皆さんの寄付金を使って開発・搭載されたものです。
クリティカルフェーズが終了したことで、探査機は無事独り立ちしたことになり、これから6年にわたる長い旅が始まります。