今週も、はやぶさ君はこつこつと軌道変更に励んでいます。
4年前の2005年、はやぶさ君は小惑星イトカワの観測に励んでいました。人間の目に見える波長の光(可視光線)だけではなく、近赤外線や、X線による観測も行っていました。
はやぶさ君に積まれている近赤外線分光器は、800nm〜2100nm程度の波長の近赤外線を観測することができます。
地上の実験から、隕石に多く含まれている輝石やカンラン石などの粉が、どの波長の赤外線をどの程度吸収するかがだいたいわかっています。
その実験結果と、はやぶさ君が観測したイトカワ表面のデータを比較したところ、イトカワの表面の石は普通コンドライトのなかのLLコンドライトと呼ばれる隕石に近いことがわかりました。
- トピックス:2005年10月17日【近赤外線分光器(NIRS)の観測の状況】
- ISASニュースNo.314:宇宙科学の最前線【小天体研究を通した太陽系の理解〜地上観測研究と隕石分析研究の橋渡し〜】
- ISASニュースNo.330:宇宙科学の最前線【小惑星イトカワを探る その後の進展】
2009年10月22日00時00分(日本時間では、10月22日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離182,945,870km、赤経8h2m2s、赤緯20.47度にいます。