はやぶさ君のイオンエンジンが不調になった時には、たくさんの心配と励ましのメッセージをいただきました。そして、先週、帰還運用の再開を発表した際には、先にも増してたくさんのお祝いと激励のメッセージをいただきました。本当に、本当に、ありがとうございました。
皆さまのおかげで、はやぶさ君も、スタッフ一同も、大いに力づけられました。皆さまから、メールで、手紙で、そして掲示板上で寄せられるたくさんの声が、はやぶさ君を帰還運用の再開へと駆り立てたのだと思います。心より感謝いたしております。
今週も、はやぶさ君はいろいろと工夫を凝らして頑張っています。そんなはやぶさ君を地上スタッフがほぼ毎晩運用しています。そして、大勢の皆さまが、はやぶさ君を見守ってくださっています。
11月12日の日本時間で3時12分頃、はやぶさ君は火星を撮影しました。はやぶさ君が星を見ながら自分の向きを知るための装置、スタートラッカのカメラで撮った写真です。火星とはやぶさ君との距離は0.13auで、露光時間33msecでの作品です。元の写真が左側で、これに星の名前を書き加えたものが右側です。中央上の明るい星が火星で、その周りにしし座の星があります。火星の上下に見られる白い縦線はスミアという現象で、CCDカメラで他の星より飛びぬけて明るい火星を撮ったため表れたものです。右側の図でMARと書かれたものが火星、LEOとかかれたものがしし座の星たちです。LEOの前の文字はギリシア語のアルファベットを現していて、その星座で最も明るい星から順にアルファ(ALP)、ベータ(BET)、ガンマ(GAM)と名づけられています。ALP-LEOはしし座で一番明るい星、レグルスですね。

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上記画像に解説を加えたもの

2005年の11月25日、はやぶさ君は再びイトカワへの着陸を行いました。88万人の署名が入ったターゲットマーカを発見し、イトカワにタッチダウンをし、順調に上昇したのですが、姿勢制御をしようとしたときにトラブルが発生したのでした。当時の様子はリンクをご覧ください。

ちなみに、あの日に使ったホワイトボードはそのまま、はやぶさ運用室に置かれています。

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2009年11月26日00時00分(日本時間では、11月26日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離125,379,350km、赤経9h4m55s、赤緯17.50度にいます。