今週のはやぶさ君は、慣性の法則と、太陽、地球の重力に身をゆだねながらじっとして、位置と速度をじっくりと測ってもらっていました。
日本のアンテナも、NASAのアンテナもたくさん動員して、可能な限り正確な軌道を求めました。
そして本日6月3日の正午にTCM3が始まりました。TCMは、Trajectory Correction Maneuverの略で、はやぶさ君の場合には、イオンエンジンを吹いて軌道を微調整することを意味します。
TCM0から数えて、この4回目の軌道制御で、はやぶさ君の軌道を地球上空約600kmあまりを通り過ぎるものから、ウーメラ砂漠に向かうものへと変えます。
イオンエンジンを吹くときのはやぶさ君の向きや、方向転換の手順を再確認したり、イオンエンジンのご機嫌を、前回の噴射の実績から推定したりと、準備に余念がありません。
一方で、はやぶさ君が落とすカプセルを回収するグループも、オーストラリアに着き、お出迎えの準備を着々と進めています。
人里離れた砂漠での再突入の観測とカプセルの探索に備えて、観測場所の精密な測量や物資の事前展開に励んでおります。
2010年6月3日00時00分(日本時間では、6月3日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離4,522,720km、赤経8h41m31s、赤緯29.87度(かに座)にいます。
はやぶさ君から見て地球の方向には、けんびきょう座が見えます。