はやぶさ君は今週も一生懸命、決められた方向に決められた量だけ加速を続けています。
天球上の見かけの位置が時々刻々と変化する探査機と通信をし続けるためには、アンテナを狙った探査機の向きにあわせて動かさねばなりません。そのために、うすださんは丸いレールの上に載せられています。雪が降ると、このレールの上の除雪も重要な作業のひとつです。ちなみに、アンテナに積もった雪は、雪質にもよりますが、アンテナを傾けて落とします。アンテナを動かすチーム(現在はうすださんチーム)とも力を合わせて頑張っています。
2月9日頃、はやぶさ君は衝を迎えます。つまり、太陽、地球、そしてはやぶさ君が一直線に並ぶのです。しばらくの間、はやぶさ君は真夜中の探査機になります。また、はやぶさ君がアンテナを地球に向けると、ちょうど同じ方向に太陽も入ってしまいます。地球からはやぶさ君に送る通信の上に、太陽からの電磁波による雑音が加わるので、これを考えに入れながら慎重に運用を行います。
はやぶさ君とうすださんが通信ができる時間帯は、今後もどんどん早い時刻になっていきます。ちなみに、筆者のバレンタインデーは、はやぶさ君の運用にささげられる予定です。
- トピックス:2009年2月4日【「はやぶさ」イオンエンジン再点火 地球帰還へ向け第2期軌道変換を開始!】
- トピックス:2009年11月19日【小惑星探査機「はやぶさ」の帰還運用再開!】
- ISASニュースNo.346:ISAS事情【「はやぶさ」、中和機故障から動力運行再開へ(PDF)】
2010年2月11日00時00分(日本時間では、2月11日の9時00分)現在のはやぶさ君は地球からの距離37,026,000km、赤経9h14m5s、赤緯23.47度(かに座)にいます。