今日も、はやぶさ君は地球に帰るための軌道変更を行っています。
夏ですので、相模原キャンパスの怪談もどきをいたしましょう。題して、「はやぶさ君は、去年の夏、オカルト実験に参加していた?!」です。
オカルト実験と言っても、テレパシーでコマンドを送ったりしていたわけではなく、探査機を使った太陽大気のオカルテーション観測のことです。日本語では掩蔽(えんぺい)といいます。覆い隠すという意味ですね。
探査機・太陽・地球が、今挙げた順番でほぼ一直線上に並ぶとき、地球から見ると、太陽によって探査機が隠され(あるいは隠されかけ)ます。
このとき、探査機から地球に送られる電波は太陽のごく近くを通ります。太陽からは電気を帯びた粒子が飛び出していて、探査機から出された電波は、太陽の近くを通るときにかき乱されてしまいます。この太陽大気によってかき乱された探査機からの電波を地上で観測することによって、太陽大気を観測しようという手法がオカルテーション観測なのです。
歴代の探査機によるオカルテーション観測に関する記述は以下のとおりです。

2009年8月15日9時24分(日本時間では、8月15日18時24分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離285,393,240 km、赤経5h31m22s、赤緯22.63度にいます。