NASAが進めている小惑星捕獲・探査計画である小惑星イニシアチブについて、NASAはこの7月30日に、探査実現の第1段階となる内部での概念レビューを終了したと発表しました。

小惑星イニシアチブは、NASAの2014年予算で計画を始動させる予定となっている小惑星捕獲・探査計画です。数十メートルの大きさの地球近傍小惑星に無人探査機を送り、小惑星を回収、地球の近く(月遷移軌道)へと誘導し、その小惑星に向けて宇宙飛行士を送り込み、精密な探査を行おうというものです。

NASA本部で今回のレビューの座長を務めたロバート・ライトフット副長官は、最初期の計画案について、探査目標である小惑星の捕獲・探査という目的に合致しているかどうかについて非常に真剣な議論がなされたと述べ、「NASAの科学、技術、有人探査チームは、地球近傍小惑星をよりよく理解するための努力を続けている。この探査は、地球に衝突するなど、地球に危険を及ぼす小惑星についての理解を深めること、技術実証を行うこと、これまでよりさらに遠いところへ人類を送り込むことといった、多くの目標を抱えている。私自身はこのチームのメンバーであり、またここまでの進捗が得られたことを誇りに思っている。今後探査コンセプトを練り上げていく上で、さらに多くの情報を得た上で、探査のコンセプトがより洗練されていくことを期待している。」と述べています。

また、先日行われた、小惑星イニシアチブなどに関する資料依頼書に対し、現在までに企業や大学、一般から400件を超える回答が寄せられていることを明らかにしました。

探査についてのレビューが完了した後、来年には探査の最重要部分に関してのベースラインを練り上げていくことになります。