嫦娥3号の成果についていろいろここのところ情報が出ていますが、人民網日本語版にまとめられていましたので紹介します。

これまで嫦娥3号が地球に送信してきたデータは7テラバイトに及び、それらのデータは次のような成果に結びついています。

  • 月の地下断面図を作成
    人民網日本語版では「はじめて」となっていますが、「かぐや」でも一応、レーダサウンダーにより、地下の地図を作成しています。ただ、嫦娥3号のデータは、着陸機であるだけにかなり詳細なものと推定されます。着陸点となる「雨の海」の地下330メートルまでの地下断面図を作成し、雨の海の成因や構造についてのデータを提供しました。また、新しい種類の玄武岩(詳細は不明です)についても発見したとのことです。
  • 月に水がないことを証明
    これは以前のブログの記事を参照して下さい。
  • 月からの地球の観測
    これも人民網日本語版では「はじめて」となっていますが、「かぐや」に搭載された超高層大気プラズマイメージャ(UPI)により、地球の超高層大気の観測が行われています。もちろん、地上からとなれば「はじめて」としていいでしょう。
    嫦娥3号では極紫外線を観測するカメラを使った観測を行い、月から地球周辺について観測、1300枚以上にわたる地球のプラズマ層のデータを取得しました。これにより、太陽が地球の超高層大気に与える影響が明らかになり、地球のプラズマ層(この「プラズマ層」の定義がはっきりしないのでなんともいえませんが)と地球地場との活動が反比例の関係にあることも明らかになりました。

これらの研究成果はすでに論文として多数発表されている他、データは中国国内の大学にも配布され、今後の研究に役立てられるとのことです。
この先、嫦娥3号の観測結果から新たな発見が出てくるかも知れませんが、それらについても月探査情報ステーションで随時お伝えする予定です。