今年は中国の月探査機、嫦娥3号の打ち上げが予定されています。探査機の開発と並行して、月との通信を行うための深宇宙通信網の整備が進められているようです。中国之声の記事を人民網日本語版が報道しています。

この記事によると、深宇宙と通信するためのアンテナは、中国最西端の新疆ウイグル自治区のカシュガル(喀什)市と、中国最東端にある黒竜江省のチャムス(佳木斯)市に設置されています。カシュガルのアンテナは直径35メートル、チャムスのアンテナは直径66メートルで、このチャムスのアンテナはアジア一の直径を誇るとのことです(編集長注: 日本の臼田宇宙空間観測所のアンテナの直径は64メートルで、わずかに小さいです)。

この2つのアンテナを擁する通信センターがこのほど全面稼働を開始したということです。ちょうど中国の東と西をカバーする形で、互いに非常に長い距離をとっていることが特徴です。今年打ち上げられる嫦娥3号ではローバー探査が予定されており、その操作や画像・映像の送信などにこの深宇宙通信網が役立てられることになるでしょう。