和歌山大学宇宙教育研究所が開発し、今年5月24日、「だいち2号」を打ち上げたH-IIAロケットで相乗り衛星として打ち上げられた超小型衛星「UNIFORMー1」(ユニフォーム・ワン)が、このほど、ちょうど地上で話題になっていたスーパームーンの満月を捉えることに成功しました。

撮影時間は2014年8月11日 午前3時01分頃(日本時間)で、北極圏上空より撮影を行っています。ちょうどまさに、月がいちばん地球に近くなったタイミングです。

月が画像の上方にあるのは、衛星の太陽電池に効率よく太陽光をあてつつ撮影をしたためです。地球観測衛星に搭載されるカメラの健全性や姿勢制御の性能を確認するためには、月は格好の対象物です。厳しい宇宙空間の環境にさらされている衛星の性能が劣化していないか、UNIFORMでは今後も定期的に月の撮影を続けていく予定です。

(可視カメラ)
地球の表面を約100mの分解能で捉える可視カメラですが、月のような遠方の物体を撮像するとこんなに小さく見えます。それでも月の表面にうさぎ姿の模様をはっきりとみることができます。

(熱赤外カメラ)
地球上から熱赤外カメラを用いて月を撮ると地球の大気がじゃまをして正確な温度を測ることができませんが、宇宙からだとその影響を受けません。見えるのは月が球であるため、月の端が暗く(温度が低く)見えていることがわかります。また、可視カメラと違い、うさぎ姿の模様があまり見えなくなるという面白い特徴があります。

可視カメラの画像

可視カメラの画像 (c) UNIFORM

熱赤外カメラの画像

熱赤外カメラの画像 (c) UNIFORM