人類が月の探索や開発を開始するにあたって、その足がかりのためにやがて月面上に基地を建設するでしょう。
初期に建設される月面基地は、地球からロケットで運べる量も限られているため、なるべく簡単なものになるでしょう。
基地はモジュールという円筒状の構造のものを地球から打ち上げて繋げていきます。ロケットで月面に運ばれたモジュールは車を使って決められた位置に設置していきます。
月面上は真空であるとともに、昼間は120℃、夜は-170℃と昼夜の温度変化がはげしく、人体に有害な放射線が降り注いでいて、とても過酷な環境です。
このため、初期の基地は月面上に豊富にある砂で覆って防護するのがよいと考えられています。月の砂粒は小麦粉のようにとても細かいので、そのまま砂をかけるとくずれてしまいます。
そこで地球から袋を持って行き、その中に砂をつめて土嚢にして基地のモジュールの周囲につみあげてからその内側に砂をかけて埋めていくことになるでしょう。
月面基地のエネルギー源はもっぱら太陽電池に頼ることになります。しかし、月面の1日は地球の約1ヶ月もあり、昼が約半月、夜も約半月の長さになります。このため夜間は太陽電池の電力が得られません。このため、再生型燃料電池というものの研究を行っています。これは自動車などで最近話題の水素と酸素を反応させて水にして電力を発生させる燃料電池をもとに、昼は太陽電池の余剰電力で水を電気分解して水素と酸素に分離し、夜はその蓄えた水素と酸素を反応させて水にして電力を得るものです。これにより、限られた水素と酸素を使いまわすことで電気を得ることができます。
この基地を拠点にして人類は月の開発を進めていくでしょう。