本日も、はやぶさ君は地球に向けて帰還のための運用を続けています。
小惑星イトカワに滞在している間、はやぶさ君はイトカワをいろいろな波長で観測しました。2009年10月22日の回で紹介した近赤外線での観測に加えて、イトカワ表面の岩石に含まれている元素を知るために、蛍光X線の観測も行いました。
蛍光X線とは、太陽からのX線が岩石の中の一つの原子に当たったのをきっかけにして、その原子から出てくるX線を言います。各原子から出てくるX線の波長は、原子の種類によって決まっています。ですから、太陽にまんべんなく照らされたイトカワ表面からどのような波長のX線が観測されるかで、イトカワ表面にどのような原子がどの程度の割合で含まれているかを知ることができます。この蛍光X線による観測から、イトカワは普通コンドライトと似た元素からできていると考えられます。この結果は、近赤外線による観測結果と矛盾していませんね。
蛍光X線観測については、加藤研究室のサイトをご覧ください。

イトカワの観測の成果については、以下をご覧ください。

2009年12月10日00時00分(日本時間では、12月10日の9時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離103,826,090km、赤経9h24m34s、赤緯16.57度にいます。