本日2017年2月9日、この月探査情報ステーションブログは誕生から10年という節目を迎えました。

月探査情報ステーションブログは、月・惑星探査に関する最新の情報をより早くお伝えしたいという考えのもとに作られました。
今でこそ月探査情報ステーションブログは、ブログをベースとしたサイトに変わっています。しかし、2007年当時、そして昨年3月までのサイトは、HTMLファイルがベースとなっていました。情報を掲載するためには、まずエディターなどを使ってファイルを開き、HTMLタグを駆使して記事を書き、それをサーバーへアップロードする(そして、デザインをチェックし、デザインが間違っていたらまたエディターで編集し直し、またアップロードする…の繰り返し)というやり方をとっていました。大変に時間と手間がかかる方式でした。それでも、月・惑星探査の最新情報はこのようにしてなんとか掲載していました。
それでも、2006年には数ヶ月にわたって更新が途絶えるなど、運営が危機に瀕する状況でした。これを打開するべく始めたのがこのブログでした。

最初の記事は、ごくごくシンプルな「ブログ始めました」という内容です。
それから10年、ブログの記事数は800を越え、下書きも含めると1000に迫ろうとしています。1年あたり大体80件、ほぼ4日に1本は記事を書いている計算になります。

月探査情報ステーションブログは、10年の歳月を経て、月探査情報ステーションの理念である、月惑星探査を「すばやく」「わかりやすく」「正しく」伝えるプラットホームとしてすっかり定着しました。メディア記事にあるような速報性ではなく、その記事を深く掘り下げ、関連情報を織り交ぜ、なおかつわかりやすく、まさに読み物としてお読みいただける記事を提供できるよう努めております。
とりわけ、探査機の目的地到着などのときには頻繁に更新を行い、さらに速報性を高める工夫をしております。例えば、2008年の火星探査機「フェニックス」の着陸や、2015年の「ニューホライズンズ」冥王星最接近などのときには、次々と変わる状況をお伝えし、一般的なメディアとは一味違った、専門性が高いが読みやすいメディアとしての速報をお伝えしてきました。
ブログ記事は、速報性にまさるツイッターや、多くの人に浸透しているフェイスブックなどとの連携も行っており、ソーシャルメディアとの相性のよさもあり、その面での浸透も図られています。

一方で、人手不足などの問題もあり、下書きのまま本記事として公開できていない記事が蓄積しており、その数が次第に増えているという問題もあります。とりわけ、いまの状態では編集長が多忙であると記事が増えないという形になっており、この意味で、月探査情報ステーションの理念を理解し、記事を書けるライターの養成(そして、そのライターに報酬を払えるような体制の構築)が強く求められています。この点は、昨年設置した合同会社の運営の中で今後進めていく予定です。
また、古いブログシステムで書かれていた記事は、度重なるシステム移行の際に写真などが移行できておらず、リンク切れなどの状態になってしまっているといった問題があります。これらも今後復旧させていく予定です。
さらに、昨年(2016年)3月のリニューアルによって、新サイトはもともとブログとして使っていたシステム「ワードプレス」を全面的に採用しました。このこともあって、ブログという枠組みではなく、サイト全体で情報更新をすばやく行えるようになっています。今後は「ブログ」という枠組みが各コンテンツに吸収されていくことも考えられます。

ブログというメディアは社会にすっかり浸透してきました。そして、ブログ後のメディアとして、ソーシャルネットワークが一般的になってきました。それでも、これだけの情報を蓄積してきている月探査情報ステーションブログの存在感は圧倒的であり、月・惑星探査の(少なくとも2007年からの)歴史を体現していることを、過去の記事を読み返しながら改めて編集長自身でも改めて感慨深く思っているところです。
これからも、月・惑星探査の歴史、つまり人類の月や惑星へのチャレンジは続きます。月探査情報ステーションブログは、ブログという形から変わっていくとしても、その人類の挑戦を余すところなく、わかりやすく、すばやく、わかりやすく伝えていけるようにしてまいります。皆様におかれましては、引き続きご支援をいただけますよう、お願い申し上げます。

月探査情報ステーション 編集長
寺薗 淳也