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マーズ・エクスプロレーション・ローバ トピックス

2004年2月1日〜10日分
ローバが降りた場所はどこ? (2004年2月10日23:40)
ローバ「オポチュニティ」が降りた場所が特定されました。もともと最初に降りたときに、電波から大体の位置が分かっていたのですが、それがさらに、上空を飛行している2001マーズ・オデッセイ探査機との交信により絞り込まれました。
どうやら、着陸の直前に、風によって「オポチュニティ」は少し流されてしまったようです。JPLのシステム担当の技術者アンドリュー・ジョンソン博士は、「まるでクレーターが引き寄せたみたいな感じだ」と言っています。ローバは26回バウンドし、約200メートル転がって、着陸点にたどり着いたようです。
着陸点を決めた決定打は、何といっても探査機から撮影された映像でした。最高解像度2メートルを誇るマーズ・グローバル・サーベイヤ探査機から撮影された映像により、位置が完全に特定されました。ローバ「オポチュニティ」が着陸したクレーターの位置は、南緯1.95度、東経354.47度。一方、1号機「スピリット」が着陸した場所は、南緯14.57度、東経175.47度となります。

「アディロンダック」は玄武岩 (2004年2月10日18:30)
ローバ「スピリット」が、はじめて岩石掘削装置を使って分析した岩「アディロンダック」の正体が、玄武岩であることが分かりました。
玄武岩は、地球上でもよく見られる火山岩です。日本でも三原山の溶岩などが玄武岩です。今後、より詳細な分析結果が出てくるのが待たれます。

「スピリット」、初の自律走行 (2004年2月10日18:30)
ローバに搭載されている自律走行機能を使って、「スピリット」がはじめて、自分の判断で火星の大地を走りました。
アメリカ現地時間の日曜日遅く、「スピリット」は、これまで調査を続けていた岩「アディロンダック」のそばを6.4メートルほど走りました。これは単に「走った」だけではなく、はじめて火星の上で、ローバの自律走行の試験を行ったのです。
この自律走行というのは、ローバに対して最終目的地だけを指示して、あとは自分の判断だけで、火星の上を走るというものです。カメラから得られる情報で、大きな岩や割れ目といった危険を自動的に避けて、目的地に到達しなければなりません。その代わり、地球からいちいち指示を待つ必要はありませんから、ローバの行動範囲を大幅に広げることができるようになります。
「スピリット」はこの後、250メートルほど離れたクレーター「ボンネビル」(Bonneville)へ向かう予定です。

「オポチュニティ」が出会った、ブルーベリー・マフィン (2004年2月10日17:30)
岩石「ロバート・E」探査中にみられた小さな粒 どうもJPLの技術者たちは食べ物に関連した名前を火星の石に名付けるのが好きなようです。スシやサシミのような「辛口」(?)の食べ物に続いて、今度はちょっと甘めの食べ物が登場しました。
ローバ2号機「オポチュニティ」は、着陸点近くに露出している岩の詳細な探査を行いました。顕微鏡カメラで撮影した岩の写真をみますと、細かい層になった、やや黄褐色の岩がみえており、砂混じりの風で侵食された跡のようにみえます。コーネル大学のスクワイヤーズ博士によると、「小さな粒が、まるでマフィンの中のブルーベリーみたいに岩の中に入っている」ということです。写真をみると、確かに灰色の粒が岩の中にいっぱい入っています。
おそらく、岩が風により浸食されて、その後この粒が岩の外に出てきたのでしょう。この小さい粒は、火山活動、あるいは隕石の衝突などによって溶けた岩が空中に放出されたときにできたものと思われます。あるいは、水が岩を溶かしたときに溶け出した物質が、凝集したりした可能性もあります。後者であれば、火星の水の存在という意味でかなり面白いことになるかも知れません。いずれにしても、この「ブルーベリー」の正体は、今後の探査による解明を待ちましょう。

「オポチュニティ」も岩の探査中 (2004年2月9日12:50)
ローバ2号機「オポチュニティ」も岩の探査を行っています。ローバは、露出している岩(「ストーン・マウンテン」(Stone Mountain)と呼ばれています)と、その近辺の土の顕微鏡写真を撮影しました。この調査対象地域は「ロバート・E」(Robert E)と名付けられています(これ、どういう意味なんでしょうね)。
この後、ローバは他の露出地点の調査を行う予定です。
ローバの最新状況 (英語。ページは最新のものに変更される場合があります)

削ったあと (2004年2月9日11:10)
岩石研磨装置によって削られた「アディロンダック」 こちらが、削られたあとの「アディロンダック」を撮影した写真になります。削られた丸い跡の大きさは直径45.5ミリメートル。深さは2.65ミリメートルです。
この写真は「スピリット」に搭載されたパノラマカメラで撮影されたものですが、現在、ローバのロボットアームに搭載された顕微鏡カメラ、及びスペクトロメータにより、この新鮮面の調査が進められています。
なお、「スピリット」は今日の夜には一旦着陸地点まで戻り、その後、「ボンネビル」と名付けられた、250メートルほど離れたクレーターへのドライブを行うことになっています。

前と後、こんなに違います (2004年2月7日21:40)
岩石研磨装置によって削られた跡がある岩「アディロンダック」 洗剤のコマーシャルではありませんが、削ったあとでどんなふうにきれいに(?)なるのかも、一応みておいた方がいいかも知れません。
まず、左の写真ですが、これは岩石研磨装置によって削られた岩「アディロンダック」の写真です。岩に黒く丸い部分がありますが、ここが削られた部分になります。
「アディロンダック」表面(研磨前) そして、こちらは顕微鏡カメラによって撮影された、研磨前の岩の顕微鏡写真です。何となく、表面が粗くなっていて、ちりなどが積もっているようにみえます。
「アディロンダック」表面(研磨後) そして削りますと、こうなります。少し岩らしい表面になってきているようにみえませんか…? 白黒だと分かりにくいかも知れませんね。いずれにしても、こうやって出てきた岩の新鮮な面を、これから測定機器で分析していきます。

「オポチュニティ」は連続前進 (2004年2月7日21:20)
もう1台のローバ「オポチュニティ」は前進を続けています。問題の岩が露出している場所まであと50センチメートルのところまで近づいてます。アメリカ現地時間の土曜日中には、さらに近づいて、探査がはじめられる体制にする予定です。
アメリカ現地時間の金曜日の「ドライブ」は、結局予定していただけ進むことができませんでした。傾斜13度の斜面を登っていたために、車輪がスリップしてスピードが落ちてしまったのではないかとみられています。ローバの道のりも平たんではありません。

「スピリット」に健康復帰宣言、惑星探査初の岩石研磨を行う (2004年2月7日20:30)
「スピリット」の岩石研磨装置 どんなものでも「初」がつくのはいいものですね。このローバ「スピリット」も、惑星探査史上「初」の、岩石研磨(岩を削ること)を行いました。そして、NASAの技術者から、「健康復帰宣言」も出されました。
「スピリット」のミッション・マネージャーであるジェニファー・トロスパー氏は、「患者(スピリット)は回復した。すごくうれしい」と述べています。22日からずっと問題を抱えていた「スピリット」ですが、問題はフラッシュメモリを制御するソフトウェアにあることがわかり、回復作業が続けられてきました。
この再フォーマット作業のあとの最初の科学的な探査は、搭載されている岩石研磨装置(写真の黄色い矢印の先端)を使って、岩の表面の新鮮な面を出すことでした。今回の「アディロンダック」という岩に対しての研磨作業は、このマーズ・エクスプロレーション・ローバのミッションでもはじめてでしたが、もちろんこれまでの惑星探査の歴史上でもはじめてのことでした。装置は約5分間作動し、岩を削りました。
この岩石研磨装置の主席科学者であるステファン・ゴアバン(Stephen Gorevan)氏は、「(削った面ともとの岩とで)大きな違いがあるとは思わなかった。大きな驚きだ」と語っています。なぜかというと、削って出てきた岩の新鮮な面は、他の岩の表面に比べてうんと暗い色をしていたからです。
以前のトピックスでも話題になったかと思いますが、なぜこの「アディロンダック」という岩が研磨対象として選ばれたかというと、この岩が比較的表面のちりが少なかったということがありました。しかし実際はというと、「驚くべきことに、かなりたくさんのちりがあった」(アメリカ地質調査所・宇宙地質学チームのケン・ハーケンホフ博士)ということです。やはり「見ると削るとは大違い」ということでしょう。
岩を削ったあと、「スピリット」はその面を別の測定装置で調べることになります。そして週末には「ドライブ」を再開します。

「スピリット」のフラッシュメモリを再フォーマット (2004年2月7日20:00)
アメリカ現地時間で水曜日(4日)、ローバ「スピリット」に搭載されているコンピュータのフラッシュメモリの再フォーマットが行われました。このフラッシュメモリの制御用ソフトウェアが、「スピリット」の不具合の原因とみられていました。このフォーマットはあくまでも予防的な措置ということで、「スピリット」自体は既に回復して探査を続けています。 アメリカ現地時間の金曜日には、「スピリット」は、以前から探査を続けている岩「アディロンダック」の一部を削って、岩の新鮮な面を出す作業にかかります。そして週末には、以前から予定されていた、北東方向への250メートルの「ドライブ」へと出かけます。

「オポチュニティ」、運転試験合格! (2004年2月6日18:00)
「オポチュニティ」のここまでのわだち クレーター内部に着陸した「オポチュニティ」は、最初の探査対象となりそうな、内部に露出している岩の領域に向けて、順調な「ドライブ」を続けています。
アメリカ現地時間の水曜日の夜には、この岩が露出している場所に向けて、ローバは約3.5メートルほど前進しました。さらに次の日には1.5メートルほど前進し続け、岩にロボットアームが届くところまで進む予定です。
昨日のトピックスでは、砂で前輪を空転させて掘り、土の分析を行う予定であると書きましたが、これはローバが赤鉄鉱の濃集(いっぱいある)場所に到着するまで延期になったみたいです。
ところで、3.5メートル進むといっても、なにしろ相手は2億キロ近く離れたところにいるローバです。いくら自律機能がついているからといっても、動くのはそう簡単なことではありません。この3.5メートルの間に、左折2回、右折1回、30度回転を行ったあと、1.8メートル前進しています。この写真のわだちで、くるっと回っているところが写っているところで、30度回転を行っています。
「大都会で時間に追われているときに縦列駐車を完璧にこなすように、技術者たちはオポチュニティを見事に操縦した。見事だ。」と、NASAの科学通信コーディネータ、マーク・パウエル氏は述べています。火星では駐車で悩まされることはあまりないと思いますが。
JPLのプレスリリース (英語)
ローバの最新状況 (英語。ページは最新のものに変更される場合があります)

火星の土に「ヘマタイト」(赤鉄鉱)の証拠 (2004年2月5日16:30) 「オポチュニティ」搭載スペクトロメータが捉えた、火星のヘマタイト 「オポチュニティ」が着陸したクレーター内の土を撮影したスペクトロメータの画像から、ところどころに、「ヘマタイト」(赤鉄鉱)が密集して存在していることが分かりました。
この写真で、赤いところとオレンジ色の部分は比較的ヘマタイトが多いところ、青い部分、緑色の部分は少ないところです。この写真は、「オポチュニティ」に搭載されている小型熱放射スペクトロメータのデータを、着陸点付近の写真に投影したものです。
特にヘマタイトが多いのは、岩が露出している部分の上の地層、あるいはこの岩が露出している部分の下の斜面付近です。
この「ヘマタイト」は、もうこのトピックスでも何度かご紹介していますが、水の作用によってできると考えられています。スペクトロメータは、こうやって離れたところから、その物質がどのようなものかを知ることができる「武器」なのです。
既に、ローバに搭載されているメスバウワースペクトロメータは、着陸点付近の土にかんらん石とよばれる鉱物が含まれていることを発見しています。

「オポチュニティ」着陸点付近の土壌に粒状の物質 (2004年2月5日15:50)
「オポチュニティ」着陸点付近の土に含まれている粒状の物質 ローバ2号機「オポチュニティ」は、着陸点付近の火星の土の分析を進めていますが、その土の中に、これまで火星ではみたこともない、粒状の物質がたくさん含まれていることが分かりました。
この写真は、顕微鏡カメラが撮影した土の拡大写真です。確かに、砂に混じってやや大きめの粒状の物質がいっぱい写っています。写真は大体3センチメートル四方を写したもので、左下の角の部分にある丸い粒の直径が3ミリメートルくらいです。
もう少しこの火星の土を詳しく分析するために、JPLの技術者たちは、「オポチュニティ」の前輪以外のの車輪を固定したまま、前輪を空回りさせることによって火星の土をすこし深く掘ってみることを考えています。これによって、深いところの土を分析することができるというわけです。
さて、この粒状の物質にはギザギザした角があるものもあります。「粒にいろいろな色や形のものがあるということは、その源にもいろいろなものがあるということだろう。」と、アメリカ地質調査所・宇宙地質学チームのケン・ハーケンホフ(Ken Herkenhoff)博士は語っています。
ただ残念ながら、形からはその粒がどのような起源を持つものか、はっきりしたことは言えません。丸い形をしているからといって必ずしも水の作用で削られたものとはいえないからです。粒に穴が開いていることから、例えば隕石の衝突や火山噴火などが成因であることも考えられます。

「スピリット」は岩磨きに挑戦中 (2004年2月3日21:20)
「スピリット」の方は完全に回復し、探査を続行しています。
今は、機能障害が起きる前から探査を行っていた岩「アディロンダック」の分析を続けています。今日(2日)現在、岩の表面を岩石研磨装置で削って、中の新鮮な面を出す作業を続けています。
予定されていたローバ内部のフラッシュメモリの再フォーマット作業は、明日(3日)に延期になりました。もっともこの再フォーマットはあくまでも予防的な措置です。
週の後半には、この新鮮面をローバ搭載の科学機器で分析する作業を行います。それが終わると、ローバは再び火星の大地を移動する「旅」に出ます。

「オポチュニティ」も「スピリット」も、手を伸ばして… (2004年2月3日21:10)
「オポチュニティ」のロボットアーム 地上に降りて本格的な探査を開始したローバ2号機「オポチュニティ」は、そのロボットアームを伸ばし、土壌の分析に向けたテストを行いました。
JPLでは、まず「オポチュニティ」に対し、このロボットアームに取り付けられている顕微鏡カメラメスバウワースペクトロメータにより、土壌の分析を行うよう指示を出しています。明日(3日)には、今度は同じロボットアームに取り付けられているアルファ粒子・X線スペクトロメータを使って分析を行う予定です。
また、「オポチュニティ」から送られてきた360度のパノラマ写真(「ギャラリー」でご覧頂けます)には、このクレーターに落ちてきたときにエアバッグによりついたバウンドの跡なども写っています。確かに写真をみると、いたるところにバウンドした円い跡がついているのがよくわかります。
既に完全回復して探査を続行している「スピリット」と共に、ロボットアームを伸ばして活躍するオポチュニティの、科学的な成果が待ち遠しいところです。

「コロンビア」乗組員の名前、火星に刻まれる (2004年2月3日20:30)
「スピリット」着陸点からみた「コロンビアヶ丘」 昨年の2月1日、帰還直前の空中分解事故で命を落とした「スペースシャトル」コロンビアの7人の乗組員の名前が、火星に残ることになりました。
NASAのオキーフ長官は、ローバ「スピリット」が活動している領域の東側にある丘に、この7人の名前を付けると発表しました。
「この7つの丘は、コロンビア乗組員の7つの勇敢なる魂にちなんで名付けられるものである。彼らは宇宙への挑戦に立ち向かい、そして、探検の名の下に崇高なる犠牲を遂げたのだ。」と、長官は述べています。
NASAでは、この7人の名前がついた火星の地名について、正式な地名となるよう、国際天文学連合(IAU)へ提案することにしています。
写真にある丘(サイズが約3MBと大きいのでご注意下さい)には、左から、乗組員のアルファベット順に名前が付けられています。アンダーソン、ブラウン、チャウラ、クラーク、ハズバンド、マッコール、ラモーンの各飛行士の名前がついています。いずれの丘も、「スピリット」着陸点から3〜4キロメートルほど離れています。
既に、「スピリット」着陸点は、「コロンビア・メモリアル・ステーション」と命名されており、「オポチュニティ」着陸点は、同じくスペースシャトルの名前から「チャレンジャー・メモリアル・ステーション」と命名されています。

「スピリット」完全回復 (2004年2月2日10:40)
技術者たちの復旧作業が実り、ローバ「スピリット」はついに完全回復を果たしました。
JPLのミッション・マネージャーのマーク・アドラー博士は、「スピリットが正常に起動したことを確認した。明日(2日)、我々はいくつかの予防的なメンテナンスを行う予定だ。」と述べています。
「スピリット」不調の原因は、探査機のコンピュータに接続されていたフラッシュメモリ(デジカメやUSBメモリなどにも使われる半導体の記憶装置)を制御するソフトウェアでした。修復作業では、このフラッシュメモリに記録されていた数千のデータの消去を行いました。これらのデータの多くは、探査機が地球から火星に飛行する間に記録されていたデータです。
故障発生から2日後、JPLの技術者たちは応急措置として、「スピリット」に対して、フラッシュメモリを使わないような命令を送っていました。今は、そのような命令を送らなくても、通常通りフラッシュメモリを使うモードで起動します。さらに安全のため、フラッシュメモリを完全にフォーマットして、「まっさら」の状態にすることを予定しています(この作業は月曜日にも実施する予定です)。
「スピリット」は昨日、フラッシュメモリに残っていた科学データを送信してきました。これは、ヨーロッパの火星探査機マーズ・エクスプレスと共同で行っている火星大気観測のデータです。今日はやはりマーズ・エクスプレスとの共同観測を行うことになっています。

「オポチュニティ」着陸点周辺に多量のヘマタイト(赤鉄鉱)発見 (2004年2月1日23:00)
着陸点周囲の土壌に、かなりの量のヘマタイト(赤鉄鉱)があるらしいことが分かってきました。
小型熱放射スペクトロメータの主席科学者のフィル・クリステンセン (Phil Christensen)博士は、この機器により着陸点周囲の灰色の土の粒を分析した結果、この鉱物を発見したと発表しました。
もともと、この着陸点は、これまでの探査によって、「グレイ・ヘマタイト」(灰色赤鉄鉱)という鉱物が多量に存在するということが(リモートセンシングによって)推定されていて、それが今回、ここが着陸点に選ばれた理由でした。今回の結果は、この推定が正しかったことを裏付けたことになります。
さらに、赤鉄鉱は水の存在により作られると考えられているため、この着陸点が水に非常に縁が深い場所であることが改めて実証されました。
この赤鉄鉱は、明るい色の露出したの岩の上にある層に集中していることが分かっています。クリステンセン博士は、「我々がこのお椀(クレーター)から出ることができれば、赤鉄鉱に富む地表の土を見つけることができるだろう。」と述べています。
露出している岩も興味深いですが、クレーターから這い出して、赤鉄鉱を詳しく調べることで、かつて火星に水が存在した確実な証拠が得られるかも知れません。

「オポチュニティ」、火星の大地へ (2004年2月1日21:30)
「オポチュニティ」が着陸機構を振り返って撮影した写真 ローバ2号機「オポチュニティ」がいよいよ、火星の大地に降り立ちました。火星探査の歴史上、2台のローバが同時に火星で探査を行うというのは、はじめてのことです。
日本時間で1月31日の午後8時すぎ、ローバが無事地面に降り立ったことを伝える信号が到着しました。その後、上にみるように、着陸機構から離れたことを示す写真が地球に到着しました。
今回、ローバチームは、着陸から7日間でローバを地上に下ろすことができました。これは、1号機「スピリット」の12日に比べるとずいぶん短い期間です。JPLのジョエル・クラジェフスキー (Joel Krajewski)氏は、「私たちは(前のローバから)経験を得ている」と話しています。また、今回はエアバッグなどの着陸後の状態もよく、ちょうどローバの前面にエアバッグの残骸があった「スピリット」のときと比べても幸運だったといえるでしょう。
「オポチュニティ」は、一両日中にも、付近の土の分析を開始する予定です。

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