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ジョルダーノ・ブルーノ・クレーター

〜伝説の始まり〜

■ジョルダーノ・ブルーノ・クレーターとは?
ジョルダーノ・ブルーノは、月の北半球、裏側に少し入ったところ(北緯36度、東経103度)にある、直径22キロのクレーターです。月のクレーターとしては比較的小さな部類に属します。
ジョルダーノ・ブルーノという名前は、地動説を擁護し、また宇宙が無限であることを主張したために教会で火あぶりの刑に処された16世紀のイタリアの修道士、ジョルダーノ・ブルーノ (Giordano Bruno)にちなみます。
このクレーターは、クレーターから飛び出た破片が作る模様(光条)が非常にくっきりと見えていることで知られています。

クレメンタイン探査機が撮影したジョルダーノ・ブルーノ・クレーター
クレメンタイン探査機が撮影したジョルダーノ・ブルーノ・クレーター
(Photo: NASA/DoD)
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■1178年の奇怪な現象
さて、イギリス・カンタベリーの修道院の僧侶であったガーベイスは、「年代記」という記録を残していますが、その中に、1178年に起きた不思議なできごとが記載されています。

この年、聖ジョン祭の前の日曜日の日没後、(中略)月にむかって坐っていた5人以上の人が素晴らしい光景を目撃した。(中略)突然、月の弧の上半分が二つに分かれた。分裂した中心から、たいまつのような炎が舞い上がり、火焔と火の粉とスパークが遠くまで飛び散った。その間、月はその体をもだえさせ、(中略)ふるわせた。その後は月は元の状態に戻った。しかしこの現象は12回以上も繰り返して起こり、(中略)そしてその後平常に戻った。
訳は水谷(1977)による

■何が月で起きたのか?
このガーベイスの「年代記」の記録を見る限り、月で何か衝撃的な現象が起きていた、ということがわかります。
しかし、この記録は近年になるまで顧みられることはありませんでした。そして20世紀、1976年になって、この記録に再び光を当てて科学的な解釈を加えたのが、アメリカの天文学者、ハートゥングです。



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