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火星と地球の接近


火星は2年2ヶ月ごとに地球に近づく

火星が地球に接近すること自体は、実は珍しいことではありません。火星は、地球のすぐ外側を回る惑星です。地球よりも遠いため、火星は地球の外側をゆっくりと回ってきます。
ある時期、火星が地球ともっとも近い位置にあったとします。そこから、地球と火星はそれぞれの速度で太陽の回りを回っていきます。そして、あるタイミングで、火星と地球が再び近い位置にやってきます。この周期は約780日(約2年2ヶ月)になります。

2003年の接近は近年にない好機だった

このように、火星は約2年に1回地球に近づくわけですが、もう1つ、火星の軌道が楕円軌道であるという点が大きなポイントになります。実際には、すべての惑星軌道は楕円なのですが、火星の軌道の場合はその楕円の具合が比較的大きいのです。
火星の軌道がかなり楕円であるため、軌道が地球に近づくときに、地球と火星が接近するようなタイミングになれば、ただでさえ近づいている地球と火星がさらに近づくことになります。
2003年が、まさにそのようなタイミングにあたったのです。計算によると、2003年のような大接近が前回に起こったのは約55000年前、次回は284年も先ということになります。(下の「国立天文台ニュース(616号)」より)。「世紀の大接近」と騒がれた理由は、ここにあるのです。
2003年8月27日、火星がもっとも地球に近づきました。夏休みということもあり、この機会に合わせて、各地の天文台や科学館などでは、観望会などのイベントが数多く行われました。

大接近は探査にもチャンス

一方、火星が地球に近い位置にいるときには、探査機をより近い距離で地球から火星に送ることができます。そのため、火星探査は約2年2ヶ月ごとにチャンスがめぐってくることになり、大体2〜3年おきに探査機が次々に打ち上げられるのです。
火星大接近は、火星探査にとってもビッグチャンスです。
2003年の大接近のときには、ヨーロッパ(マーズ・エクスプレス)、アメリカ(マーズ・エクスプロレーション・ローバ)、日本(のぞみ)の探査機が火星に向かいました。
2005年8月には、アメリカの探査機マーズ・リコネサンス・オービターが打ち上げらました。 2007年には同じくアメリカの探査機「フェニックス」が打ち上げられました。2011年には、「マーズ・サイエンス・ラボラトリ」が打ち上げられました。今後も探査は続々と行われる予定です。


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