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火星に小惑星が衝突?


火星に小惑星が衝突?

小惑星2007WD7の接近方向とその通過経路
小惑星2007WD5が火星に接近する方向(矢印)と、その通過経路(オレンジ色の帯)。この帯の中に火星が入るかどうかはわかっていない。(イラスト: NASA。クリックするとより大きな画像をご覧いただけます(500KB)。)

■2008年1月30日、小惑星が火星に衝突?
2007年12月に、火星に小惑星が衝突するのではないかという記事が話題になりました。
衝突の可能性が指摘された小惑星は、2007WD5というものです。さしわたしが50メートルという小さな小惑星なのですが、これが、2008年1月30日に火星に衝突する可能性が約75分の1の確率で存在するという計算結果が、NASAの地球近傍天体オフィスの計算により明らかになりました。
この2007WD5という小惑星は、2007年11月20日、アリゾナ州立大学がNASAの資金援助で行っている小天体監視・発見プロジェクト「カタリナ・スカイ・サーベイ」における観測で発見されました。

この小惑星が発見されてからまだ1ヶ月程度しかたっておらず、十分に軌道を捕捉しきれていないため、この小惑星がどのような軌道を通るかはよくわかっていません。ヨーマンス博士によると、「今後5週間の間に、各天文台での観測によってより多くの情報を集め、小惑星の軌道を決定したい。」とのことです。多くのデータが集まることで、火星への衝突の可能性は確実になることもあるでしょうし、あるいはなくなるということもあるかも知れません。

■衝突の可能性はほぼなくなった
その後科学者による精密な軌道計算が続けられた結果、衝突の可能性はほぼなくなったことがわかりました。この結果はジェット推進研究所のプレスリリースとして2008年1月12日に発表されました。
この計算は、それまでの観測軌道に加えて、1月5〜8日にかけて行われた観測結果も加えた上で行われたもので、その結果、衝突確率は0.0%と、ほぼ「あり得ない」ことが確認されました。


■関連記事
・Asteroid Threatens Mars (Science@NASA) (2007年12月21日)
http://science.nasa.gov/headlines/y2007/21dec_2007wd5.htm?list897272 (英語)
衝突の可能性について解説したNASAの記事です。

・Astronomers Rule Out Possibility of Asteroid Impact on Mars (JPL Press Release, 2008年1月12日)
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2007-152
その後の計算の結果、小惑星の衝突可能性はほとんどないことを言明しています。なお、以前のプレスリリースとの差し替えになっていますのでご注意下さい(アップデートの経緯及び日時はプレスリリース内に記載されています)。

■関連サイト

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