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> イベント情報 > Planet Journey 月と土星へ2004 > リレーコラム > vol.2 (松本零士)


土星や月への旅行に持っていくなら…?
様々な分野の方々に同じテーマで語ってもらう、リレーコラム。どんな話が飛び出すんでしょうか! 月探査情報ステーションとDSPACE、交互に掲載します。
土星の衛星タイタンで見たい。「銀河鉄道999劇場編」 2004.07.16UP
vol.2
松本零士さん 漫画家 松本零士さん DSPACE
 「銀河鉄道999」で、私は土星の衛星タイタンを「自由の楽園」として描きました。おそらく火星や金星を惑星ごと改造する時代になれば、大気のあるタイタンも緑の惑星にして人間の生存圏の一つにすることは可能だろう。そうなってしまった話を勝手に描いたんです。

 地球より青く、地球よりみどりの濃い星、タイタン。土星からの熱でいつも春のようにあたたかい楽園。しかし「個人の望むことはなんでもしていい」という楽園法のために、人殺しが横行する無法地帯です。そこで、主人公の鉄郎は1人の老婆に巡りあいます。

 連れ去られたメーテルを助けに行こうとする鉄郎に、老婆は土星の強い日差しに「土星射病にならないように」とつばの広い帽子と、宇宙戦士の銃を手渡す。その銃はタイタンから宇宙に飛び立った老婆の息子、トチローのものだった。「あの子はもう戻ってこない。悲しいけれど、男の子を産んだんだから仕方ないよね」と言いながら、鉄郎に銃を渡すんです。その銃を手に鉄郎は宇宙の旅を続ける。そしてトチローと運命的な出会いをする・・・。

 いつかタイタンに行けたら、「999」をDVDで見たいですね。子孫がタイタンに住む時代になったら、「こんな映画があったんだ」とあの星で見てもらえたら、と思っています。
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松本零士さん
漫画家。1938年福岡県久留米市生まれ。 1954年、雑誌「漫画少年」の第1回長編漫画新人賞を受賞。今年、漫画家活動51周年。代表作は「銀河鉄道999」、「宇宙戦艦ヤマト」「宇宙海賊キャプテンハーロック」など多数。現在、戊辰戦争の頃の史実に基づき、トチローやハーロックの先祖が登場する「史実と想像が合体した」壮大な歴史漫画を準備中。
次に登場していただくのは、向井万起男さんです。病理医にして作家、奥さんは宇宙飛行士・向井千秋さん。果たして万起男さんは宇宙に行きたいのか。行くとしたら何処へ何をもって?
vol.3