林: |
いよいよ探査機カッシーニが土星に到着しますね。「月探査情報ステーション」でも、火星ローバーの時のように、最新トピックスを載せるんですか? 寺薗さんの解説がわかりやすくて勉強させて頂いてます。 |
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寺: |
ぎくっ。痛いところをついてきましたねぇ。世界の火星探査機が続々と火星に向かった2003年末から、ウェブに「最新の探査情報をいち早くお知らせします」と書いてしまって。NASAが発表するのをどんどん追いかけるうちに話題になって、今じゃ火星コーナーが月をしのぐ勢いで(笑)。モチロン土星もやりますよー! ただほとんど私1人で書いているもので。もう少しお待ちを・・・汗。 |
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土星には「スーパーのビニール袋」 |
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林: |
さて、これから様々な分野の10人の方達に、「土星や月旅行にもっていきたいもの」を書いて頂くわけですが、まず土星の魅力や注目ポイントってなんでしょう?
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寺: |
今まで探査機が行っていない、何が出てくるかわからないゾっていう魅力ですね。生命についても、タイタンは「ひょっとしたら」という可能性がある。あとはたくさんの衛星ですね。巨大なクレーターをもつもの、形が面白いもの、色んな姿をもっている衛星の素顔が明らかになれば、昔どんなことがあったのか、歴史がわかるかもしれない。
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林: |
では土星にもっていきたいものは? |
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寺: |
スーパーのビニール袋。 |
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林: |
えっ?あの白い・・・? |
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寺: |
はい。よく火山とかに行くと、ビニール袋にエイって気体を閉じ込めちゃう人っていませんか? ぼくだけかな。土星のガスは水素とヘリウムと言われているしタイタンの大気は特に持って帰りたい。ニオイをかぎたいんです。メタンの。くさいかもしれないけど・・・。 |
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月ではモチロンやっちゃいます。 |
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林: |
では月の面白さは? |
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寺: |
これからウチラが行くんだ、という身近さですね。月と地球は一体としてとらえないといけない天体。私達のルーツと直接つながってくる。これから面白くなるのは月探査競争。日本、中国、インド、アメリカも2008年までに探査機を打ち上げる計画をスタートさせてました。ついに米国も本気ですよ。ヨーロッパはスマート1という小型の探査機を飛ばしている。毎年どこかの国の探査機が月に打ちあがる。オレ達は絶対自分達の手で月に探査機を飛ばすんだって色んな人たちが努力している、わくわくしてきます。 |
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林: |
で、月に行くとしたら。 |
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寺: |
やっぱり僕の専門で言えば、感度の高い地震計。ポケットに忍ばせて持っていく。「あ、今、地震が起こった」ってわかるように。あとは夜空を見る望遠鏡とか。
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林: |
寺薗さんなら「月発信情報ステーション」でしょう? |
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寺: |
したいんですよね。月面インターネット。ドメインの最後は.moonかなと。サーバーを月においてね。地球からアクセスすると2.5秒遅れて見られる。ウエブカメラをおいてずっと月面中継し続けるっていうのもイイですね。 |
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火星でチョロQ? |
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林: |
火星もまだ話題が続きそうですね。これからの火星の見どころは? |
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寺: |
やっぱり水。どれくらいの量がいつ流れていたか。何十億年前かつい最近か。それにしても火星ローバーが送ってくる画像を見ていると、地質調査で出くわすような岩が目の前にあるっていう感じですね。昔山歩きして地質調査したこともありますが、渥美半島の崖にいて、目の前に岩があるのを見ているようでした。 |
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林: |
ウェブの威力ってすごいですよね。で、持って行きたいものは? |
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寺: |
おもちゃの車。でこぼこなところで。記事を書いていて気になっているのはスピリットの走行記録。もう2キロ走ったとか。地球から通信で10分かかる世界で人間がつくったものが2キロ半も走るんですよ。僕は車好きで、乗用車を持っていくのは大変なんで、ラジコンかチョロQ。チョロQだと5m走って岩にぶつかってひっくり返りそうだからラジコンかな。パリダカのバギータイプなんかいいですね。
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