フォボス
火星 I
フォボスについてわかっていること
- フォボスは、火星の二つの月のうち、内側で大きい方です:
- 火星の中心からの距離: 9378 km
- 直径: 22.2 km (27 x 21.6 x 18.8)
- 質量: 1.08e16 kg
フォボスは、太陽系の衛星の中では最も主星に近い軌道を回っており、その距離は、
火星の表面から 6000 km 以下です。また、太陽系の衛星のなかで、
最も小さいものの一つです。
- Phobosは、「フォーバス」と発音します。
- ギリシャ神話では、フォボスは、アレス(火星)とアフロディテ(金星)の息子の一人です。
「フォボス」という単語は、ギリシャ語で「恐怖」を表します。(恐怖症(phobia)の語源です。)
- 1877年8月12日、ホール(Hall)によって、発見され、
1977年、バイキング1号によって写真が
撮影されました。
- フォボスは、静止軌道の内側をまわっています.
フォボスは、たいてい1日に2回、西から昇って非常に早い速度で空を移動し東に沈みます。
非常に地表に近いため、火星表面のどこからでも見えるわけではなく、水平線の下に隠れていることもあります。
- フォボスは、いずれ壊れる運命にあります。:なぜなら、フォボスの軌道が静止軌道の内側であるため、
潮汐力がフォボスを火星の方に引っ張るからです。1億年以内に、フォボス
は破砕されて火星の輪になるか、火星表面に激突するでしょう。
- フォボスとデイモス は、
C-タイプの小惑星のように
炭素を多く含む岩石からできていると思われます。しかし、その密度は、
非常に低く、純粋な岩石ではありません。おそらく岩石と氷の
混合物で構成されています。どちらの衛星にも、非常に多くのクレーターがあります。
- フォボスの最大の特徴は、スティックニー(Stickney,発見者A.ホールの妻の旧姓)
と名付けられた大きなクレータ−です。(規模はこちらの方が小さいですが)
ミマス のハーシェル(Herschel)クレーター
ように、スティックニーを形成した衝撃は、フォボスをほとんど粉々に破壊
するところでした。表面の溝と筋も、おそらくスティックニーのできた衝撃によって
できたものです。
- 旧ソビエトの宇宙探査機フォボス 2号 は、かすかですが安定して気体が噴出していることを発見しました。
残念なことに、フォボス 2号は、その物質(水の可能性が最も高い)の性質を明らかに
するまえに故障しました。
- フォボスとデイモスは、火星軌道に捕捉された小惑星であると
広く考えられています。主小惑星帯ではなく,太陽系の外に、その起源をもとめる
考えもあります。
- フォボスとデイモスは、将来、火星を調査するための「宇宙ステーション」や
火星表面に向かう中継所として利用されるかもしれません:特に、氷の存在が確認されたなら。
写真
- フォボスのスティックニー・クレーター
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- スティックニーのもう一枚の写真
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- フォボスの反対側
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- フォボスの地図
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- フォボス、デイモス、ガスプラ、アイーダの比較
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- 拡大写真
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フォボスに関するもっと詳しい情報
未解決の問題
- フォボスとデイモスは,どこか他の所で形作られ,その後,火星に捕えられた
ように考えられます。しかし,どのようにして捕えられたのでしょうか?また,大昔の薄い大気が
それを可能にしたのでしょうか?
... 火星
... フォボス
... デイモス
...
ビル・アーネット著;1995年 6月12日更新
畠中 利治 訳;1995年11月 5日更新