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ルナープロスペクター、月の氷存在を確認(1998年4月)
3月5日、NASAは、米月探査機ルナープロスペクターが月の両極地方に氷が存在する証拠を発見したと発表した。
探査機に搭載された中性子分光計が取得したデータに基づくもので、研究者は1000万トン〜3億トンの氷が存在していると見積っている。
又、氷は、北極地方に1万〜5万Km2、南極地方に5千〜2万Km2の範囲で数多くのクレーター内にあり、北極地方に南極地方の倍の氷が存在するとしている。
しかし、月のレゴリス(表土)に含まれる氷の割合は0.3〜1%と低いことも判明した。 NASAのハントレス宇宙科学局長は、科学的に興味ある発見だが、将来の有人宇宙活動において資源として利用するには大量の水を回収するための費用対効果の高い方法を開発する必要があると述べている。
又、NASAの惑星科学者で月の専門家であるメンデル氏は、さらに科学的裏付を行う必要があると指摘している。
ルナープロスペクターは、氷の発見の他、月の組成の精密な地図を作成するという重要なミッションを有しており、約1年かけて高度100kmの月周回軌道からマッピングを行うことになっている。
既に、テレメトリーデータの分析から、かつてない完全で精密な重力地図が得られている。1年の観測期間後、燃料に余裕があれば6ヶ月の探査延長が可能である。
米国には、今のところ、ルナープロスペクター以降の正式な後継月探査計画は存在しないが、ルナープロスペクターミッションの代表研究者であるビンダー氏(月研究所所長)は、氷が発見されようがされまいが、
将来の大規模な商業月探査を促進するため商業ミッションを行う必要があると述べている。ビンダー氏は、今年後半にルナープロスペクター2と他の2機の月周回衛星への民間投資を求める予定であり、それぞれ2000年初め、2000年半ば、2000年後半の打上げを目指している。
米国以外では、ESAがユーロムーン2000を提案していたが、3月26日のESA定例理事会において、ロドタ長官は、同構想を中止すると表明した。
一方、中国も2000年頃に小型月探査機を打上げる構想を有していると報じられているが、詳細は定かではない。
現在のところ具体的な月探査計画としては日本のルナーA(2003年予定)とセレーネ(2004年予定)のみである。 |
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