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火星探査等に関する日米協力

1996年8月7日、訪米中の中川科学技術庁長官とゴールディンNASA長官との会談において、NASA側より火星探査及び太陽系外惑星探査について我が国の協力に対する期待が表明されました。
我が国は、この探査計画について説明を受けるため米国の専門家の派遣を要請しました。これに対し、1997年1月28日〜31にハントレスNASA宇宙科学局長を団長とする代表団が来日し、28、29日に宇宙開発事業団本社において宇宙開発委員会が主催する「オリジン計画、火星探査等に関する日米科学者会合」が開催されました。出席者は、NASA側がハントレス局長ほかNASA本部JPL、GSFCの専門家、日本側が長柄宇宙開発委員、西田宇宙科学研究所長ほか大学等の研究機関、NASDAの専門家が参加しました。会合の終了に際し記者会見が行われました。

(注: 役職及び肩書きは当時のものです)

オリジン計画、火星探査等に関する日米科学者会合プレスリリース

(原文は英語)
1997年1月29日

宇宙開発委員会及び米国航空宇宙局(NASA)は本日、東京における、宇宙、銀河、恒星及び惑星の起源に関する天文学的調査及び火星探査に関する2日間にわたる会合を終了した。
本会合は、昨年、NASAゴールディン長官から中川前科学技術庁長官・宇宙開発委員会委員長に対し、オリジン計画、火星探査等の分野における協力の可能性の探索が提案されたことによるものである。

西田宇宙科学研究所長とハントレスNASA宇宙科学局長が本会合の共同議長を務めた。本会合には、それぞれの国から約20人の専門家が参加した。

会合の第1日目にはオリジン計画、第2日目には火星探査計画の現状及び将来構想に焦点が当てられた。米・日それぞれからのプレゼンテーションの後、協力可能な分野について議論が行われた。両者は、宇宙科学の分野における日米間の協力は、これまで着実かつ円滑に進められてきたところであり、科学的な興味の共有、大規模な宇宙探査活動に必要な資源の多様性及び逼迫しつつある予算状況を考慮すれば、日米協力を始めとする国際協力の重要性はますます増大しつつあるとの認識で一致した。

両国の代表団は、本会合はこれらの分野におけるお互いの研究を総合的に理解するとともに、両国間における将来の協力を促進するために、両国の専門家が一堂に会してそれぞれの活動状況を報告する重要な機会を提供したと認識した。

両国の研究者が共通して関心を示した分野は以下のとおりである。
  1. 日本のASTRO-F、米国のSIRTF等の宇宙からの赤外線観測及び米国のKeck、日本のSubaru、米国及びドイツのSOFIA等の地上及び航空機からの赤外線観測による宇宙、銀河、恒星、及び惑星の起源の天文学探査
  2. 火星起源の、あるいは地球外生命学的興味の持たれる、特に南極からの大規模なコレクションを始めとする隕石の研究
  3. 日本のMUSES-Cによる小惑星サンプルリターンミッション及び米国の彗星着陸機やサンプルリターンの将来計画を含む小惑星及び彗星の探査
  4. 1998年に打上げが予定されている日本のプラネットB及び米国のマーズ・サーベイヤー(オービター及び着陸機)に始まる火星探査
科学的に興味のある分野として、以下を含む
  • 火星の大気の気候や進化の理解
  • 火星における水と有機物の探索
  • 表層付近の環境の調査
  • 表面ペネトレータによる火星内部の研究
  • サンプルリターンとその解析
両者は将来における特定の協力にこのような相互の関心テーマを発展させていくこととした。加えて両国の代表団は、さらなる協力の分野を探索していくとともに、将来にわたり緊密に連絡を取ることで合意した。

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