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マーズ・エクスプレス トピックス

2003年12月分

周回機の軌道変更に成功 (2003年12月31日15:40)
周回機の軌道を、赤道周回軌道から極周回軌道に変更する作業が、12月30日の午後4時頃(日本時間)に行われ、成功しました。来月4日には、この軌道をさらに変更し、火星により近いところを回るようにする予定です。
次の軌道変更が行われると、いまだ交信ができない着陸機「ビーグル2」に近いところを周回機が回れるようになります。着陸していると思われる領域の315キロメートル上空をこの周回機が飛行するのは、1月7日の20:13頃(日本時間)となります。これにより、「ビーグル2」との交信がより確実に行えることが期待されます。

周回機は順調に飛行中 (2003年12月28日18:00)
周回機は、予定の軌道を順調に飛行しています。26日の午前10時頃には、軌道変更作業を完了し、探査機は火星表面からわずか400キロメートルという、かなり低い高度を飛んでいます。探査機が飛んでいる軌道は細長い楕円軌道で、遠地点が188000キロになります。その後次第に高度を下げていき、最終的には、近火点(火星にいちばん近い点)258キロ、遠火点(火星からいちばん遠い点)11560キロという軌道に投入される予定です。
次の大きな軌道変更は、12月30日に予定されています。これは、現在の赤道付近を周る軌道から、極周回軌道へと変更するものです。
ESAの記事へ (英語)

「ビーグル2」、26〜27日の交信も成功せず (2003年12月28日17:00)
下のトピックスでも触れられている、イギリスのジョドレルバンク天文台の76メートル電波望遠鏡を使った、「ビーグル2」との交信に続き、「2001マーズ・オデッセイ」を使った通信も試みられましたが、交信は成功しませんでした。
一方で、科学者たちは、「マーズ・エクスプレス」の周回機と、「ビーグル2」が交信できるチャンスに大きな期待を寄せています。1月4日以降、周回機は「ビーグル2」と交信ができる軌道に入ってきますので、それ以降にデータが受信できる可能性があります。
もともと、「ビーグル2」との交信を主に担う役割はこの周回機が果たす予定ですから、まだ通信が回復するチャンスはあるといえそうです。
ESAの記事へ (英語)

「ビーグル2」、2回目の交信も成功せず (2003年12月26日12:10)
火星表面に着陸したと思われる着陸機「ビーグル2」との交信が、イギリスにあるジョドレルバンク天文台の大型電波望遠鏡で試みられました。26日朝(日本時間、以下同じ)に試みられた交信は成功しませんでした。着陸機からの信号は得られていません。
この件については現在、「ビーグル2」ウェブサイトで速報されています(ESAの公式発表はまだありません)。なお、この件につきましては、本日午後4時半頃より、記者会見が開催されるとのことです。

周回機は火星の周回軌道へ (2003年12月25日22:30)
着陸機に続いて、周回機の方も次第に観測体制に入ります。12月30日には周回機の軌道修正を行い、周回機は近火点(火星に最も近い点)3000キロ、遠火点(火星に最も遠い点)10000キロという楕円軌道に入ります。ここで観測機器の準備作業などを1月半ばにかけて行い、早ければ1月の終わり頃には、最初の観測データが得られるようになる予定です。

「ビーグル2」は大気圏突入へ (2003年12月25日15:50、19:00一部更新)
順調に火星への降下を続けている着陸機「ビーグル2」は、日本時間の25日午前11時45分、火星大気突入のため、パラシュートを展開したと思われます。順調に行けばこのまま降下を続け、火星に着陸します。
火星に着陸したかどうかについては、「ビーグル2」の通信を2001マーズ・オデッセイ探査機が中継して、その電波が地球に送られてきてはじめて確認されます。しかし、交信時刻である午後3時50分(日本時間、以下同じ)時点では、「ビーグル2」からの電波は受信されませんでした。
受信できなかったことが、着陸機に何らかの故障が起きたことをすぐに意味するわけではありません。アンテナの展開がうまくいかず、上空のマーズ・オデッセイ側を向いていないという可能性も考えられます。
次の交信時刻は、26日の午前7時45分頃になります。この時間に、イギリスのジョドレル・バンク天文台が、「ビーグル2」からの電波を受信する予定です。

火星着陸船「ビーグル2」の切り離しに成功 (2003年12月20日16:40)
2003年12月19日、ESAは「マーズ・エクスプレス」に搭載されていた火星着陸船「ビーグル2」の切り離しに成功したと発表しました。現在のところ、順調に火星表面へ向かって降下を続けており、12月25日朝には火星表面へ着陸する予定です。
ビーグル2自体は推進機構を持っていないので、切り離しの際、正しい方向で降下するように制御を行わなければなりません。その意味では切り離しのステップが最大の難関であったわけですが、そのために探査機の姿勢を変更する必要がありました。「マーズ・エクスプレス」探査機はこの動作を正常に行い、「ビーグル2」は正しい方向で降下していることが確認されています。

火星まであと500万キロ (2003年12月8日20:00)
マーズ・エクスプレスが、12月1日に撮影した写真が公開されました。これは、火星から約550万キロ離れた位置から撮影したものです。探査機に搭載されている高解像度ステレオカメラ(HSRC)により、鮮明な画像が得られています。探査機の位置の関係で、地球からはみえないようなパターンでの火星の見え方になっているというのがおもしろいところです。主に写っているのは火星の西半球です。上部のやや暗い部分は、北半球の低地です。
(写真をクリックすると高解像度の写真をご覧頂けます)


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