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かつて計画されていた民間月探査計画

民間企業であるがゆえに、技術が間に合わなかったり、資金が集められなかったりといった理由で、会社が解散したり、計画の中止を余儀なくされているケースがあります。ここではこれまでに計画されたものの、結局達成できなかった民間月探査計画についてご紹介します。

■ルナコープ (LunaCorp)
アメリカのルナコープ社(LunaCorp: バージニア州アーリントン)は、民間による月探査の先駆けでした。この会社は、2003年頃をめどに月にローバーを打ち上げて探査を行う計画を立てていました。
ルナコープ社は1989年に設立され、月面探査のための技術研究を行ってきました。カーネギー・メロン大学ロボット研究所とともに月面を自由に動き回って探査を行うロボット、ローバーを開発してきました。
この探査の目的は「アイスブレーカー」(IceBreaker)と呼ばれるローバーを使って、月で水の氷の存在を確認することでした。 この計画では、一般の人がリアルタイムで探査にふれることができるよう、インターネット、テレビ局や科学館などと提携することによって、一般の人が探査の様子をライブ映像で見ることや、ローバーを直接操作することまでできるようにすることが大きな特徴でした。
探査計画の資金はインターネットやテレビ局など提携先との利用料や契約料、政府の宇宙関連団体とのデータ取得契約料に加え、民間企業をスポンサーにすることによって賄われる予定でした。
アメリカ最大の電子機器小売業者であるラジオシャック社(RadioShack: テキサス州フォートワース)が2000年6月15日にスポンサーに名乗りをあげました。
しかしその後計画は順調に進まず、2003年にルナコープ社はローバ計画を正式に中止しました。

■アプライド・サイエンス・リソーシズ社 (Applied Science Resources)
アメリカのアプライド・サイエンス・リソーシズ社(Applied Space Resources)(ニューヨーク)は、1997年に設立された民間会社で、商業的な宇宙資源開発を目標に活動していました。
この会社では月からのサンプルリターンを計画していました。ルナ・レトリバーI (LunarRetrieverI)と名付けられたこの月ミッションでは、神酒(みき)の海 (Nectaris basin)にランダーを着陸させて少なくとも10キログラムの土や岩などのサンプルを地球に持ち帰る予定でした。また、サンプル収集活動などの画像を一般に公開することを計画していました。
このミッションは資金を集めてから4、5年後の打ち上げを目指していましたが、最大の困難は技術面よりむしろ財政面でした。資金源としては、ルナコープと同様、インターネットやテレビの放映権による収入のほか、ミッションで得られた月のサンプルを広く販売することで資金を得る計画を立てていました。
また、ルナ・レトリバーに続いて計画された同社のルナ・ハスキー (LunarHusky)ミッションでは、サンプルやデータの収集領域を広げるためにローバーを利用することが計画されていました。
しかしこの会社も結局事業を終了しました。



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