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月探査機
ラディー 探査の概要

■月にも大気がある

実は、月にもごく薄い大気があります。地球の大気に比べれば1億分の1程度ということで、実質的には大気がないといっても過言ではありませんが、それでも、月の周りにはそのようなごく薄い大気が存在するのです。
この大気の成分は水素やナトリウムなどで、太陽風の成分の一部が月の引力にとらえられて残ったものと考えられています。ですが、実際のところこのごく薄い大気の詳細な成分や、太陽風との相互作用、振るまいなどについての詳細な探査は行われてきませんでした。
また、大気がごく薄いため、月の表面には太陽風が吹きつけられますが、それによって月の表面の土(レゴリス)が静電作用によって巻き上げられるなどして、ダストが空中に舞うことが考えられます。そのようなダストは月周辺にも存在しているはずですが、それについてもよくわかっていないというのが現状です。
このような月周辺の環境については、将来の月探査、とりわけ人間が長期にわたって月に滞在するような探査(あるいは月面開発)が行われる前に、十分に知っておくことが重要であると考えられます。その役割を担うのが、探査機「ラディー」です。

■月周辺を知るためのはじめての探査機

ラディーは、英語ではLADEEと書き、これは「月大気・ダスト環境探査機」(The Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer)の略称でもあります。
ラディーは、月周辺の環境の探査を専門に行うはじめての探査機で、その役割は2つに分かれています。

  1. 月の大気の成分、濃度、時間的な変動の様子を探ること。
  2. 月周辺を漂うダストについて、その大きさ、帯電量、空間密度などを調べ、将来的な月探査、月面からの天文学などへの影響について見積もること。
これらの調査により、アポロ計画当時に見つかっている、上空数十キロメートル付近のナトリウムに富む部分の正体の解明や、上空のダストが月に衝突することによる、将来的な月面基地への影響の解明が期待されています。

■打ち上げは2013年9月、100日間の探査を予定

ラディーは、この探査を行うために3つの測定装置を搭載します。重量が全体として383キログラムと、かなり小さな探査機ではありますが、目的を果たすためには十分な内容となっています。また、これとは別に、月と毎秒1万ビット程度の速度で通信するための実証装置も搭載されます。
ラディーは2013年9月6日(アメリカ現地時間。日本時間では9月7日)、アメリカ・バージニア州にある中部大西洋地域宇宙港から、ミノトールVロケットにより打ち上げらました。
月には約30日間の飛行ののち10月6日に到着し、到着後は約100日にわたって、高度約50キロのほぼ円軌道での周回探査を実施します。



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