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月探査機
グレイル 科学観測の概要

グレイルの科学観測期間は82日間です。これは、月の時間に直すとおよそ3日弱にあたり、グレイルが観測している間に、月は3回自転することになります。
グレイルは、2つの探査機の間をマイクロ波(Kaバンド及びSバンド)で結んで、互いの距離を精密に測定し合いながら飛行します。
まずフェーズ1(月の自転1回目の期間)では、2つの探査機の距離を100〜225キロメートルに保ちながら飛行します。
このフェーズ1終了後、探査機はごく小さな軌道変換を行ってフェーズ2に入ります。フェーズ2から、最後のフェーズ3の期間では、探査機の距離は65〜225キロメートルと、フェーズ1よりも接近することになります。
2機の探査機が近ければ近いほど、月の局所的な重力場を精度よく測定できますので、両者の距離はなるべく近い方がよいのです。一方で、月のコアのように、月内部奥深くの構造を知るためには、距離を離して観測する方が都合がよいので、このように「ついたり離れたり」といったことを行います。

最終的に、探査機は終了フェーズへと入り、電波の校正を行ったあと、月食期間中である2012年6月4日までには探査を終了することとなります。
科学探査終了時には、探査機の月面からの高さは、なんと15〜20キロという大変月面に近い高さになる予定です。

なお、厳密には科学機器ではありませんが、グレイルには、教育・アウトリーチを目的としたカメラ「ムーンカム」が搭載されます。
ムーンカムは両方の探査機に搭載されており、4つのレンズがついています。1つは飛行方向を、2つは直下(すなわち月面)を向いています。もう1つはやや後方を向くようにセットされています。
ムーンカムは、写真を撮影するだけではなく、毎秒30フレームの速度で動画を撮影することもできます。
操作を行うのは、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴにあるカリフォルニア州立大学サンディエゴ校の大学生たちで、彼らが主導して、全米の中学生・高校生たちがカメラで撮像ができるようにする予定です。



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