嫦娥2号 科学機器
嫦娥2号の観測機器は、基本的に嫦娥1号のものを踏襲しており、中には同一の物もあります。しかし、一部の観測機器には改良が加えられ、1号のものに比べて機能が向上しています。
- 光学撮像システム
- 全球の地形を撮影するためのCCDステレオカメラ、及びスペクトルデータを取得するための干渉型スペクトロメーターからなります。
このうち、CCDステレオカメラは、解像度が120メートルから10メートルへと大幅に向上しています。さらに、低高度の軌道に投入された場合、解像度は1メートルにも達するとされています。
- レーザー高度計
- 嫦娥1号のものに比べて性能が向上しています。嫦娥3号の着陸に適した場所を探すために使われます。1秒間に5回のレーザー発射が可能です(嫦娥1号のものは1秒間に1回でした)。
- ガンマ線スペクトロメーター
- ガンマ線を分光することで、月表層の元素分布を調べます。嫦娥1号に搭載されたものと同じ仕様です。
- マイクロ波探査装置
- 月面のマイクロ波及びミリ波を探知し、表層の土(レゴリス)の調査を行います。嫦娥1号に搭載されたものと同じ仕様です。
- 宇宙環境モニタリングシステム
- 月周辺の放射線環境をモニターするための装置です。高エネルギー太陽粒子検知器と低エネルギーイオン検知器からなり、いずれも嫦娥1号に搭載されたものと同じ仕様です。
嫦娥1号と同様、観測の目的は、月の表面にある元素や鉱物の組成の把握、地形などです。今回は特に、嫦娥3号における着陸探査を念頭に置いて、着陸に適した場所を探すということが探査の大きな目的となっています。
カメラの性能が大幅に向上しているのも、これが背景にあると考えられます。
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