チャンドラヤーン1 科学機器
チャンドラヤーン1探査機には、月面を探るために、合計11の科学機器が搭載されます。
- 地形マッピングステレオカメラ (TMC)
- 最大5メートルの空間解像度で、月面を撮影します。
- 高解像度スペクトルカメラ (HySI)
- 400〜950ナノメートルの波長でスペクトルを取得します。最大で空間解像度80メートルの画像を取得します。
- レーザ高度計 (LLRI)
- 月面の高さ(でこぼこ)を測定します。高さ方向の解像度が10メートルの性能を持っています。
- 高エネルギーX線スペクトロメータ (HEX)
- 30〜250キロ電子ボルトの領域のX線データを取得し、月面の鉱物、元素のデータを取得します(空間解像度40キロメートル)。
- 月面衝突装置 (MIP)
- チャンドラヤーン探査機本体に搭載されて、月面へ衝突します。
- X線スペクトロメータ (C1XS)
- ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の協力により搭載されました。開発はイギリスのラザフォード・アップルトン研究所で行われ、インド宇宙機関で搭載のための改造が行われたものです。
- 近赤外線スペクトロメータ (SIR-2)
- 近赤外領域のスペクトルを取得する装置です。これも、ESAの協力により、ドイツのマックスプランク研究所で開発されました。
- 低キロ電子ボルト原子反射解析装置 (SARA)
- 同じくヨーロッパとの協力により、スウェーデンの宇宙物理学研究所とインドの宇宙物理学研究所との共同開発によるものです。
- 放射線モニター (RADOM)
- ブルガリア科学アカデミーで開発されました。
- 小型合成開口レーダ (MiniSAR)
- NASAとの協力により、ジョンズホプキンス大学応用物理学研究所と、アメリカ海軍航空兵器センターにより開発されました。
- 月面鉱物マッピング装置 (M3)
- アメリカのブラウン大学とジェット推進研究所(JPL)により開発されました。
■11種類の装置により、月を徹底的に観測
11種類という装置の多様性もさることながら、最大解像度5メートルを誇るカメラや、他種類の鉱物マッピング装置などは、「かぐや」にも匹敵する非常に強力な陣容といえます。
これらの装置は、「かぐや」「ルナー・リコナイサンス・オービタ」などと共に、月の起源や進化を明らかにすることになるでしょう。
装置英文名称
- TMC…Terrain Mapping stereo Camera
- HySI…Hyper Spectral Imaging Camera
- LLRI…Lunar Laser Ranging Instrument
- HEX…High Energy X-ray spectrometer
- MIP…Moon Impact Probe
- C1XS…Chandrayaan-1 X-ray Spectrometer
- SIR-2…Near Infra Red spectrometer
- SARA…Sub KeV Atom Reflecting Analyser
- RADOM…Radiation Dose Monitor Experiment
- MiniSAR…Miniature Synthetic Aperture Radar
- M3…Moon Mineralogy Mapper
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