はやぶさ2 搭載観測機器
「はやぶさ2」で搭載する観測機器は、基本的に「はやぶさ」で搭載したものと同じ種類のものを搭載することが計画されています。
これは、新たな機器を時間をかけて開発するのではなく、既に「はやぶさ」で開発されている機器を改良して搭載することで、なるべく早く次の探査を実行することを目指す、という考え方に基づいています。
ただ、今回は対象とする小惑星のタイプが異なることなどもあり、多少の変更を行って搭載することになります。
搭載する機器としては、
- 近赤外分光計 (NIRS3)
- 中間赤外カメラ
- 多バンド可視カメラ
- レーザ高度計
- 衝突装置
- サンプラー
- サンプル回収カプセル
が考えられています。このうち、衝突装置を除く他の機器については、「はやぶさ」でも同様の機器を搭載しており、その改良版となります。
例えば、近赤外分光計については、より長波長側を観測できるように機器を改良して、対象天体(1999JU3)に存在することが期待されている水の検出を行えるようにする予定です。
また、「はやぶさ」に搭載されていた蛍光X線分光計に代わり、中間赤外カメラを搭載します。この目的は、1999JU3の熱慣性を調べることにあります。熱慣性とは、対象となる物体の中で、熱がどのように蓄積され、また拡散されていくかを示す値です。内部がどのくらい「すかすか」であるかに関係してくるので、特に小惑星では、内部の空隙率を見積もるために重要で、イトカワがそうであったように、1999JU3も「すかすか」なのかどうかを知る大きな手がかりになります。
また、厳密には観測機器ではありませんが、小惑星の表面に衝突してクレーターを作り、内部にある新鮮な物質を露出させる衝突装置も重要です。最終的に新鮮な物質を採取でき、それを地球に持ち帰ることができれば、これまでにない小惑星の物質を私たちが手にすることが可能です。
そして、それらの物質を、地球上の設備で詳細に分析できれば、その小惑星の成り立ちや、太陽系の起源、さらには地球の生命や海の起源につながる手がかりをも得ることができるでしょう。
「はやぶさ」では小型ローバー「ミネルバ」が搭載されていましたが、その改良型の小型ローバーの搭載も検討されています。
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