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日食についてのよくある質問 (FAQ)

日食について、よく受ける質問をまとめてみました。


■日食は新月のときに起きるのはわかりましたが、ではなぜ新月のとき必ず(皆既)日食にならないのでしょうか?
これは、月の軌道が、太陽と地球がいる平面から少し傾いているために起こります。
太陽と地球がいる平面を黄道面といいますが、月は、その平面から約5度傾いて回っています。このため、太陽と月が同じ方向に来たとしても、必ず重なるとは限りません。このため、新月のときでも必ず日食になるわけではないのです。
さらに、月の軌道は完全な円ではなく、またいろいろな力を受けて、運動は常に変化しています。このため、日食になるケースでも、必ずしも全て皆既日食にはならず、部分日食や金環食になることがあるのです。また、皆既日食についても、その継続時間や範囲などが毎回違うのもそのためです。

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■日食の観測が、科学的に役立つということがあるのでしょうか?
あります。実は、一般相対性理論の証明に、日食の観測が役立ったということがあります。
アインシュタインが、一般相対性理論を発表したのが1916年でした。この理論では、大きな物体のまわりでは空間のゆがみが生じ、それによって光が直進しない、ということが予想されていました。大きな物体のまわりでもし光の進み方が直進でなく、ゆがむとしたら、いちばんいいのは太陽のような重たい天体のはずです。
太陽の質量によって空間がゆがむとすれば、太陽の近くにみえる恒星の光は、本来の位置からわずかにずれてみえるはずです。しかし、太陽は強烈な光を発していますから、皆既日食は大きなチャンスでした。
1919年、イギリスの科学者アーサー・エディントンは皆既日食を南米とアフリカで観測し、2箇所の観測結果から確かに星がずれているということを見つけ出し、一般相対性理論の正しさを証明しました。

ほかにも、日食は様々な科学的な観測に役立っています。例えば、月の外縁を観測することで月の地形を調べたり、太陽のコロナやプロミネンスなどの観測もできます。ですから、探査機が月に行くいまの時代でも、皆既日食は科学者にとって重要な観測の機会なのです。

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■日食は、太陽と月の見かけの大きさが同じだから起きると聞きましたが、これは本当ですか?
実は、太陽と月の見かけの大きさはほぼ一緒です。それを確かめたい場合には、5円玉を用意し、腕をいっぱいに伸ばして、太陽をみてみましょう(長時間見つめないで下さい)。5円玉の穴の大きさにほぼ一致していることがわかります。次に、満月のタイミングをみて、同じように5円玉で測ってみて下さい。ほぼ同じであることがわかるかと思います。
もし月の見かけの大きさが太陽よりはるかに小さければ、月の前を通るという現象になってしまうでしょう。実際、水星や金星はそういう現象を起こし、「太陽面通過」と呼ばれます。
逆に、月が太陽より大きい場合には、完全に太陽を隠してしまうことが多くなりますが、皆既日食でみられるようにぴったりと隠すという現象にはならないはずです。
このように、地球上でみられる日食、特に皆既日食は、太陽と月の見かけの大きさがほぼ同じであるという偶然の一致が大きな役割を果たしているのです。

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■次の日食はいつ起きるのでしょうか? 日本でみられるのはいつですか?
次の日食自体は、2010年1月15日に起こります。この日食は金環食で、中国中部からミャンマー、インド洋、東アフリカからアフリカ大陸中央部の広い範囲でみられます。
次の皆既日食は、2010年7月11日。南太平洋から南アメリカ大陸南端でみることができます。
日本でみられる次の日食は、2012年5月20日です。九州南部、四国南部、本州南部でみることができます。これは金環食になります。
日本でみられる次の皆既日食は、2035年9月2日です。みられる範囲は関東北部から長野・新潟県付近、富山・石川県付近になります。


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