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月を知ろう

月に関する研究発表
パネルディスカッション第3部「月旅行」


No. 1 2001年03月08日【木】18:23 園山 実
皆様大変長らくお待たせいたしました。
ただ今よりパネルディスカッション第3部「月旅行」を開始させていただきます。

今日から始まるパネルディスカッションでは、4名のパネラーの方々を迎えて、「月旅行」についてのディスカッションを進めていきます。開催期間は3月末までの予定です。

申し遅れましたが、私はコーディネーターをつとめさせていただきます三菱総合研究所の園山です。まず、私の方から簡単に自己紹介させていただきます。

私は1993年10月からの2年間、宇宙開発事業団に所属し、その間、現在のSELENE計画の基盤作りや将来月探査ミッションの検討に携わっておりました。
現在もその延長線上で、宇宙開発事業団先端ミッション研究センターの次期月探査研究に参加させていただいています。
私は、大学在学中はロボット工学、とりわけ、ロボットを人間に近づけるためのセンサについて研究しておりました。学生時代から「技術と人間の調和」や「人間が求める技術」について大変興味があり、今もそのような志向で仕事をしています。
「月旅行」は個人的な夢のみならず、人間と技術、人類と技術との関係の概念を大きく変化させる出来事として大変興味があります。私個人の夢としては、月旅行で「月食」や「日食」の月版を体験することでしょうか。

いきなり司会が長く話しすぎるのも何ですので、早速パネラーの方々の話をお聞きすることにしましょう。パネラーの方々、今村さん、コリンズさん、松浦さん、横山さんに自己紹介をしていただきましょう。せっかくのインターネット上ですから順番は問いません。自己紹介の中で皆さんの「月旅行」への夢について少し触れてみて下さい。

それではよろしくお願いします。

No. 2 2001年03月09日【金】17:42 横山 隆明
 はじめまして。
 NASDA・月利用推進研究室の横山と申します。
 パネラーの一人として「月旅行」に参加させていただきます。

 私は月の砂の力学的性質に関することを主な研究テーマとし、現在は「将来物」といわれる次期月探査計画をターゲットにした幾つかの研究会に関わっております。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて「月旅行」について。もし月旅行に行くことが出来たら、まずは月面で跳ね回ってみるでしょう。それから地球を含めて月面から見える星々をゆっくりと眺めてみたいです。月面で昼寝をしてみるなんていうのも良いかもしれません。

No. 3 2001年03月09日【金】22:04 今村 雄一郎
 はじめまして。日本宇宙少年団(YAC)名古屋支部でリーダーをしています、今村と申します。
本業は、岐阜大学工学部の1年生です。
今回、この、「月旅行」をテーマにした、ディスカッションということで、思う存分、夢を語っていけたらと考えています。

 以前、月開発についてのレポートを書いたこともありますが、月というのは、身近にあって、たくさんの想像が簡単にできてしまいます。

たとえば・・・、
やはり、まずやってみたいのは、横山さんと同じく、地球をのんびりと眺めて、地球見会(?)でも開きましょうか。
そして、低重力の世界を楽しみながら、散歩する・・・。
たわいのないことですが、一つ一つの動作が非常に楽しみな気がします。
そんな感じで、単に、月基地に住むというだけで、毎日がSFチックでおもしろいのかもしれません。
いつか、そんな風に簡単に私達が月に住める時代がきて欲しいですよね。

それでは、短い間ですが、皆さん、よろしくお願いいたします。
そして、たぶん、今回のパネラーの中では、一番科学的な知識は少ないので、「夢」だけでがんばっていくことになるとは思いますが、「バカなこといっているな」ではなく、「夢があっていいな、いつか、そんな世界が来るかな?」そんな風に見ていただければ、幸いです・・・。

No. 4 2001年03月12日【月】14:37 松浦 晋也
 初めまして,松浦と申します。14年ほど技術系の雑誌記者をした後で独立し,現在はノンフィクション・ライターを名乗っています。記者だった自分に宇宙開発を集中的に取材した時期があり,その魅力に取り込まれて現在に至っています。実際,ロケットの打ち上げというのは,魂を根源から揺り動かすとてつもないイベントですね。

 月旅行,と一言でいっても,探検フェーズ,実用フェーズ,観光フェーズぐらいの3段階に分けて考えたほうがいいののではないでしょうか。もちろん地球を眺めつつ温泉,というのは観光フェーズの重要な目的です。

 現在地球低軌道への打ち上げコストは,10tのペイロードを上げるのに110億円ぐらいですか。これが1/10になると実用フェーズが動きだし,1/100になると観光フェーズの出番になるという位の理解でいいでしょうか。

 その道筋のためには低軌道ステーションと,月基地,というか月ヘルスセンターが必要ですね。月基地はどこに置くのか,月の赤道付近エネルギー的に行きやすいし緊急帰還も容易だけれども,立地条件を考えると月の両極のほうがいいようです。そこまでの交通機関をどう組み立てるのか,とか色々考えることはありますね。

 あるいはそれ以前に,月一週ローバー耐久レースというようなイベントを考えるべきなのかも知れません。

 ともあれよろしくお願いします。

No. 5 2001年03月18日【日】17:39 園山 実
パネラーの皆様、ありがとうございました。

コリンズさんからの発言が届いておりませんが、話を少しだけ先に進めさせていただきたいと思います。

パネラーの皆様には自己紹介と併せて月旅行への夢の一部を語っていただきました。出てきた話としては、やはり「月でしかできないこと」が中心でした。また、皆さんお忙しいのか、「ゆっくりしたい」系の夢が多かったように思います。

これまでに皆さんに挙げていただいた夢は以下にまとめられるようです。
  • 低重力の月面を跳ね回ったり散歩したりする
  • 月面から見える地球や星々をゆっくりと眺める(温泉からの鑑賞も)
皆さん最初のご発言ですから、何より先にまずはこれがしたいということをお話いただいたということのようです。まず最初にしたいこととして抜けていたのは、「月をじっくり観る」ということでしょうか。
アポロの映像は見ていても、私は月の表土の様子がどうなっているのか、地平線はどのように映るのか、といった視点で、この目で月をじっくり楽しみたいと思います。

私などは、これだけでも月に行く価値は十分にあると思っているのですが、もっともっと面白いことが考えられそうです。
「単に、月基地に住むというだけで、毎日がSFチックでおもしろい」という話がありましたが、私もその通りだと思います。
「月旅行」は我々が思い描くに及ばない程、発見に溢れた毎日になるのでしょう。

とはいえ、せっかくの機会ですから、もう少し皆さんに夢を膨らませていただきましょう。「月一周ローバー耐久レース」などというアイデアもあり、他の方の話で触発された部分もあると思いますので、皆さんもう一度「膨らませた夢」を語って下さい。(「夢」ですから、「できるかできないか」を現在の尺度で考えないことにし、フェーズは「観光フェーズ」以降と捉えていただければと思います。)地球でもできるが、月でやるともっと面白そうというアイデアも大歓迎です。

早速会場の方からはこんな夢を寄せていただきました。(ありがとうございます。)こちらも是非参考にして下さい。
  • 月面タイムカプセル(子供達の願いを万単位で世界公募、ディスク化して埋設)
  • 誕生祝いの丘(生まれた子供の名を製造プラント産廃ガラス球に彫刻して散布)
  • 月面メモリアルパーク(結婚記念、入学・卒業・成人祝い、墓碑など別に同上)
  • 月面放送局(高出力放送機器による地球全球放送。仮想月面スタジオ)
  • 月面ロケ映画(背景CG利用促進・月旅行時代にロケ地を背景に立体映画鑑賞)
  • 仮想宇宙植民ネットワークゲーム(各社ゲームの共通プラットフォームの一部)
  • 月面サファリパーク(各国の月伝説にちなんだペットロボ徘徊)
  • 月面砂遊び(地球から遠隔で誰でも砂遊び。砂オブジェに作者の名札つき)
  • 月面射的ゲーム(遠隔操作でレゴリスを弾にした射的。移動標的にペットロボ)
  • 月面地上絵(観光利用を視野にいれた資源採掘のアート化・上空観覧飛行)
  • 地球防衛基地(名前が天文台だと月を見上げる時の感慨と観光価値が薄い)
それではパネラーの皆様、お願いします。

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