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月を知ろう

月に関する研究発表
2.基調講演
宇宙科学研究所 松尾弘毅

宇宙科学研究所の松尾でございます。前回、この基調講演を秋葉先生がなさいまして、その時の基調講演の最初は「基調講演は山野理事長にすべてされてしまいました」というところから始まって、私もかかることもあろうやと思いまして、こういう台詞をいうつもりで上がってまいりましたら、その通りになりました。

「ふたたび月へ」のふたたびということでございまして、先ほど松井理事長のお話の中にありましたように、科学技術庁のほうから月探査に関する調査研究というものの委託を受けまして、私がその主査をやりました。具体的な中身については、このあと2つのラウンドテーブルが用意されておりますけれど、そこに入る前にイントロダクションをやるのが私の役割かと思っております。その並びからいいますと、それに近接したところで3番目に基調報告をやったほうがよろしかったのかも知れませんけれど、秋葉、五代、両先生の対談のあとでは基調どころではなくなる可能性がございまして、あえてこの順番を強硬に申し入れてこうさせていただきました。

それでは早速、最初のスライドをお願いいたします。

経緯は先ほどの松井理事長のお話の中にありましたので省略いたします。これは再々ご覧になっているかと思いますが、長期ヴィジョンの中から月に関するところを拾ってきたところであります。傍線が引いてあるように「月の探査は一過性の取組みでなく、計画的・段階的に進めていくこと」。それから「2000年代初頭以降、科学探査および月の利用可能性調査を目的として月周回観測や月面探査をはじめとした体系的な月探査を実施すべく云々」ということになっています。月への思いを一過性のものではなくて、持続させるためには、この印篭はしょっちゅうお目にかけることになると思います。われわれの現在の拠り所であると思っております。

私のイントロダクションの前のイントロダクションといたしまして、前回のレビュー、われわれの共通の理解はどういうものであったかということをまずレビューしておきたいと思います。これは前回の目次でございます。遠すぎますから、あるいはお見づらいかと思いますけれど、ここで前回のちょっとおさらいをしておきまして今回の話に入りたいと思います。最初に当時の山野理事長のお話がございまして「米欧とも苦しい中でも月探査を打ち出す形勢にある。それからH-IIの成功、『ひてん』の実績等、我が国も技術的基盤を確立しつつあるように思える」ということ。なぜ必要かということについては、先ほど松井理事長のお話にもございましたけれど「有限な地球にしがみついて運命をともにするのか、活動拡大して持続的な発展を目指すのか。この問題は当事者としては後者を選ぶ以外にはないけれど、広い国民のコンセンサスが必要だ」ということが、そこでは述べられたわけであります。

次に秋葉先生の基調講演は、南極とのアナロジーを引かれまして「アポロから25年経って、月で持続的な活動をするための技術の進歩が既に蓄積されたと思われる。人が行ける状況さえ作りさえすれば南極的な活動が展開される素地がある」とのお話でした。人が住める状態を無人で作るということがキーポイントであろうということで、このお話は後ほど出てまいりますけれども、そこで、年1000億円で30年という数字をお示しになりまして、これは何とかならない数字ではなかろうというお話でした。ここではさらに国際協力についての原則ということをお出しになりまして、1から7まで、国際協力というのは響きがよろしいのですが、いろいろとそれにともなう困難があるわけで、それを克服していくためには、こういう原則が必要であろうということであります。特にここで注目したいのは計画を中途で離脱する国または機関は、それまでの成果を主要国の1つに引き継ぎ、計画の続行を可能とするというところは非常に実際的な素晴らしい案だと思っております。国際協力にはなかなか難しい面がございまして「素晴らしい場合もある」というのが正しい言い方かと思いますけれど、こういう条項を入れていくことによって、時間は伸びるけれども計画が中断することなく行く道がたてられるという、たいへん素晴らしい原則だと思っております。そのかわり、権利を引き継ぐわけでありますから、その分の支出を覚悟しなければならないわけで、覚悟をともなった主体性というのが非常に大事なことだと思っております。

そのあとは、先ほどちょっとお話いたしました月面の有人基地を無人で作るというシナリオが続き、最初に川島先生がイントロダクションをおやりになりました。ここでは「何のためかということを短期的な考えで突き詰めますと、どうしてもネガティブになってしまう。新しい流れを作り出すことが重要であって特にこの月のプロジェクトは宇宙への展開を飛躍的に安くする必要が当然出てくるので、月のみならず宇宙開発全体をリードするテーマであり得る」というお話がありました。

引き続いて月面基地のシナリオの具体的な説明がありました。これは岩田さんのほうから「30年かけて無人システムによって有人システムを作る。規模としては最終的に常時6人滞在」というシナリオが示されたわけであります。これにつきましては引き続き大坪さんのほうから、居住地の構成についてのお話がありました。その中で先ほどご紹介がありましたアリゾナのバイオスフィア2についての引用もございましたし、大坪さんご自身、つい最近お葉書をいただきましたけれども、現在は環境科学技術研究所に移られまして、まさにこの道に専念されるようでございます。大坪さんのお話は幸い30年先ということのようなので、地道にこれを仕上げたいというところで話は終わっております。ご存命のうちに達成できるかは今後の摂生次第かと考えております。

それから引き続きまして天文台の海部さんと宇宙研の水谷さんから、サイエンスについての夢を語ったというのが次の構成になっております。ここは今日も触れますので措きますけれど、ここでは具体的な手段というよりは、夢、可能性といったところに重点を置いて語られたというところでございます。海部先生からは「月からの天文観測」、水谷先生はいわゆる「月の科学」についてのお話がありました。

引き続き「有人宇宙活動の社会的意義」というお話がございまして、ここでは立花さんから「物が行くか人間が行くかでは共感の度合においてまったく違うものだ。宇宙全体を人間の活動圏として考えるようなものを、生来本質的に人類は持っているのであって、いまは生物が海から陸に上がろうとしている両生類の状態である。いつまでも宇宙両生類にとどまっていてはいけない」というお話がございました。

最後にパネルで、これはいろいろご意見が出たわけでありますけれども、特に抜き出して申し上げますならば、秋山さんから「利益誘導のプロジェクトではない、これは。コロンブスから500年経って、いまだに、コロンブスはどう騙したか知らないけれども、利益誘導でなければ海に出て行けないとすれば、これは誠に恥ずかしいことである」というお話があったのがたいへん印象に残っております。単純に好奇心の延長あるいは知的な資産を増やしていくためのプロジェクトということで推し進めることによって、こういう旗を掲げてプロセスを進めることによって、人間あるいは日本人の宇宙意識というものが拡大していくのではないか、というご指摘がありました。

多少長々と要約をいたしましたけれど、前回はこのようなお話がございました。要約しますと、人類が月へ行くことは必然でありましょう。目先の実利にとらわれるべきではない。人類の永続的発展のため、知的な好奇心の追求のためととらえるべきである。そのために、実現可能なステップとして有人のための無人基地の構築が提案なされたと、非常に荒っぽく要約すると、このようなことだったかと思います。

こういう状態も踏まえまして、今回、われわれがどういう検討をしたかということをお話いたしますと、多少、言葉の遊び的になりますけれども、人類が宇宙に出て行くのは本質的にそういう性向を持っていて必然であるといってしまえば、これは「必然ならば放っておいてもいい」ということになるわけでございます。目先の実利ということとは別に、やはり予見し得る可能性というものを予見したうえで、未知の可能性について何かを感じ取るということが重要ではないかと考えるわけであります。今回は、われわれの調査検討では、いかなる知的好奇心が満たされるのかということを科学のワーキンググループの名で検討したということであります。一方、月探査というのは人類の永続的な繁栄に対して、いかに資する可能性を持っているのかということを、実利用の名のもとに検討したということになります。実利用というのはモーラルなものも含めますと適切な言葉かどうかわかりませんが、とりあえず実利用を使わせていただいたという経緯がございます。

カバーする期間は、これはまさに先ほどの有人の基地建設とも符号が合っておりますけれど、2000年から約30年の間というふうに考えました。これは先ほどの長期ヴィジョンでの体系的な無人月探査というところまで対応する期間であろうかと思っております。先ほどちょっと松井理事長のお話にもありましたけれども、現在NASDAとISASの間では、月の探査という計画が進んでおるわけでございますけれども、ある部分、われわれの検討と時期的に関りを持ってくる部分があると思われます。ISASとNASDAの計画自体は未来研のこの検討結果を下敷きにするような性質のものではございませんけれども、この双方というのは比較的、予定調和的に上手く整合性が取れるのではないかという感じをもっております。

最初は科学ミッション。科学ということでございますけれども、ここでは「月の科学」と「月からの科学」とに大別いたしました。もう1つ「オン・ザ・ムーン」というのがあるわけでございまして、これはかなりの部分有人のCELSSというところに包含される部分もありますが、それではいい切れない部分がありまして、それについては今回は必ずしも深く触れなかったという経緯がございます。ここでは月自身を研究対象とした「月の科学」と、月からの天文観測を行う「月からの科学」に大別して議論をいたしました。大きな流れといたしましては、2000年から30年間、端数5年がついておりますけれども、これはちょっと無視していただきまして、前半の部分については「月の科学」が主役になり、その間「月からの科学」は準備を重ねて、後半に入りますと「月の科学」は、ある種定常的な調査の状態に入り、一方「月からの科学」が主役となって、天文台の実際の活動が展開されるのではないかというのが大筋でございます。

最初に「月の科学」のほうから申し上げますと、ここはもうご承知と思いますが、一応おさらいをいたしますと「月の起源は地球の起源と密接に関係しており、月を知ることは地球を知ることである。月の進化の程度は隕石や彗星といった始源天体と地球や火星のような進化した天体の中間にあり、複雑な進化をしていないぶん解明しやすいという利点がある。月の探査は地球のみならず太陽系全体の起源と進化の究明に重要な意義を持つ。アポロによる月探査の意義は大きかったが、科学的な目的のもとに始められたものではないこともあって、月の全体像を知るには程遠い状況にある。持ち帰った試料は月表面の5%をカバーするものであり、代表的なサンプルではないことが明らかになっている」と。

こういった状況がありまして第1フェーズにおいては「月の起源と進化の解明に最も重要な課題を選択してミッション化していくことになろう、それが適当である」と。「世界的な趨勢からも、この時期に進化と起源に関する第一義的な重要なテーマは、恐らく得られるであろう」という見通しが述べられております。

それから第2フェーズにおいては「グローバルなものからリージョナルなものへと詳細化される」と、それは資源探査とか利用といった調査と並行した流れであろうということが見通しとして書かれているというわけでございます。実際はこれについて、さらに細かいどのような探査か、ということがあるわけですが、これはラウンドテーブルのほうにお任せいたしまして、全体の流れはこういうことでございます。

次は「月からの科学」でございますが、月の意義でございまして「大気がないということ、それから安定したプラットホームであるということで、天文観測にとってはたいへん魅力的な場所である。ただそこで注意しなくてはいけないのは、魅力がある一方、熱輻射とかダスト等、不利になりうる状況もある。これについては、なお予備的な検討が十分必要である」という注意が述べられております。ただし「こういう問題は解決されて十分な月面活動が展開された暁には天文観測の多くの分野で極めて大きな可能性が期待できる場所である」ということがいわれております。「月面では普通いわれておりますように、大口径のパラボラよりも長基線の干渉計によって高い分解能を実現するのが最もよろしいであろう。これによって宇宙の微細な構造が見えることによって宇宙像を塗り替える可能性がある」ということが指摘されております。

これは続きでございますが、「適地としては極地のクレーター内である」と。雑音の観点、温度の環境その他を勘案しますと、適地は極地のクレーター内であるといわれております。ここがもし適地だとすると、ここに行くには少し準備がかかるというところの1つの理由になっているわけでございます。こういった全体をもとに、第1フェーズ、先ほどと同じでございますが、第1フェーズでは「長期的な展望のもとに、月面天文台の建設のための調査・技術開発を行う時期であろう」ということであります。ただ、例えば相対VLBI、複数の電波源を置いて月面上の精密な位置決定を行なうといったようなことは、この時期にできる可能性があるということです。それから第2フェイズにおきましては、極地クレーターを、先ほどいいましたように「月面天文台のサイトとして開発することは第一の目標となろう」ということでございます。ここでいろんなことができるということが書かれてありまして、例えば太陽系外で惑星が形成される過程とかですね、いま宇宙は構造を持っておるわけですが、それが構造を決定する発端となりました初期のゆらぎを精密に調べることができるという、非常に魅力的なミッションが、ここではできる可能性があるということがいわれております。ただこのためには、最後のところですが「大規模な月面活動とインフラストラクチャーの存在が前提となる」と、ここに書かれてあります。これは天文の当事者のほうからも、こういった大きな流れが、研究者を離れても欲しいということの表れでもあります。謙虚さの表れということであるのかも知れません。

全体としては、たいへんオーソドックスな流れというものが示されておりまして、たいへんオーソドックスではありますけれども、我が国の科学者が自身の手で王道を示したというところに、たいへん意義がある検討結果ではないかと、そのように思っております。

次はもう一方の柱であります「月利用の可能性」であります。科学につきましては、ある種の流れというものがあったわけで、詳細なシナリオまで取っておりませんけれど。一方この実利用のほうは、もう少し不確定な要素が多いということがありまして、ある種の流れとしてとらえることは困難で、現状では必ずしもなかなかうまくいかないわけでございますけれども、幅広く利用可能性の検討を行なったという恰好になっております。ですから、結果として出てくることは、科学の場合には段階を追って実現していくということになりますけれども、この実利用の方は段階を追ってその可能性を検討していくというような実現になるのではないかという気がいたしております。ここでいくつかにわけてやります。あとでお話が出てくると思いますので、ごく簡単に触れます。

最初はエネルギー利用ということでありまして、これは月面で発電をするということで、あわよくばそれを地球に送ってエネルギー問題の解決に役立てようという話であります。ここに1つ「ガラスの海」という面白い話が書かれてありまして、これはレゴリスを溶かして熱をそこに蓄えて、レゴリスの下に蓄熱器を作って、その熱を利用して昼夜をわかたず発電しようという構想が、提案されております。100kWを14日間、夜間全部で与えるために、だいたい1000m3ぐらいは要ると、検討がなされております。月で必然的に必要となってまいりますマイクロ波送電の可能性についても、ここで検討が行われております。ご存知の核融合炉、ヘリウム3の利用の可能性でございますが、これにつきましては現在の核融合の進捗状況と、それに対して多くのブレイクスルーが必要ではあるけれども、ヘリウム3というのはたいへん魅力的なものであるということが書かれてあります。

次は資源利用でございますけれども、月面での資源利用は月面活動そのものに依存することは非常に多々あるわけで、そちらに話が戻ってくる可能性があります。ただし月面での資源利用につきましては、資源のサーベイと、それがいかなる目的に使えるか、どういう形のプロセスにして、どういうふうに使えるかというような検討がここではされております。これは固有の意義を主張するというよりは、月面の利用での資源利用ということになりますと、いかなる目的で月面を利用するかということに非常に依存することになろうかと思います。それから月面外の資源利用として、ここでは月資源を推進剤として使うということに限って検討しております。これは月の物質を推進剤として使う場合に、月のものを月に近い所に運ぶ場合には明らかに優位性が認められているわけですが、コストという観点になると不確定要素が多く、いろいろなモードをサーベイしたというところでとどまっている状況であります。

次は環境監視でありまして、これもあとで磯部先生のほうからお話があると思いますが、いちばんは地球への小惑星・小天体の衝突の危機の回避というものであります。だいたい1kmくらいのものがありますとグローバルな破局が訪れる、500mでも十分結構なことになるということがございまして、ここではここに書いてありますようにNASAの「スペースワード計画」というものがあるそうなんですが、これは20年間で1km以上の小惑星の99%以上を検出するという試みでありますけれど、これ1%残っていても十分でありまして、これに引っ掛からないものが当たっても、たいへん困るわけです。もうそれで非常に破局的なことが訪れるというわけであります。それを月面の観測状況の良さを利用して、早期発見する、早く見つければ見つけるほど処置が楽になるということで早期発見をするというアイディアでございます。これはほかのものとは性質が違っておりまして、この危険自体はクリア&プレゼント・デンジャーというふうなので、ちょっと立場が違うもののような問題だという気がいたします。
 ここではインフラとしての通信システムについて主として扱われておりますけれども、月面での大電力、あるいはそこでの大きなアンテナの利用ということができれば、通信基地としての月の意義が十分に表れるであろうということが言及されております。

そのほかのことでは、(そのほかと申し上げては誠に失礼ですが)ここに書かれているような教育・芸術といったものに非常にインスピレーションを与えるであろうといったような可能性も指摘されておりまして、1つここでは書かれておりませんけれども、ESAのレポートか何かにアーカイブとして使ってはどうかという話があります。これは面白いなという気がいたしました。地球上の生物の進化とか人類文化の発展といったようなものを、そのアーカイブを月に作る。地球はケミカルなプロセシングとか、大気とか水とかいろいろあって、そういうものが劣化していく、そういう記憶を永久に保存するには月がたいへん適しているのではないかという話が、これはたいへん面白い話ではないかという気がいたしました。

今回、検討したようなことは、このようなことでございまして、個別についてはラウンドテーブルでお話があろうかと思います。今後の予定といたしましては、短期間でもございましたし、ある種の流れはイメージできたものの、それのシナリオ化ということはできておりません。そのシナリオ化というものを今後、進めていきたいというふうに思っています。ものによっては、1年考えたからといって見通しが出るというわけではない性質のものも多々ありますけれども、その範囲の中で極力そのシナリオ化を進めていきたいと考えているわけであります。その中には先ほどいいましたように、その時点では必ずしも深く取り上げなかった「月面での科学」ということも、そこでは検討していくということになろうかと思います。

以上が私の話でございまして、先ほど多少冗談めかして「必然ならば放っておいてよい」といいましたけれども、必然だといたしましても、なぜ今かという問いに対して答える必要があると思います。それにつきましては日本の相対的な経済状況ということもあろうかと思いますけれども、日本の宇宙開発の若さといったようなことは、H-IIの成功に見られるような勢いといったようなことは、私は、なぜ今かという問いに対する1つの答えではないかと思っております。例えば秋山さん、毛利さん、向井さんと続いた宇宙有人飛行に関する国民の関心の高さや、もう1つは残念な例でございまますけれども、「きく6号」、私どもの「エキスプレス」と続いたわけでありますけれど、それに対する反響の大きさといったことも、これは国民の側での感性の若さといったようなものの所作ではないかというように思います。先ほど私の話にありましたように、NASDA、ISASの間では、この場合のISASと申しますのは日本の大学での共同利用機関としてのISASでございますけれども、月探査に関しての共同の計画が始動しつつありますし、また世界中の宇宙機関、オーガニゼーションが集まって、月探査に関する情報交換をする場として「インターナショナル・ルナ・エクスプロレーション・ワーキング・グループ(ILEWG)」というものができましたけれども、そこで日本の水谷教授がチェアマンに選出されておりまして、これも先ほどの長期ヴィジョンに見られる我が国の姿勢への期待の表れというふうにも思います。

最後に「夢に向かってのスタートは手垢がつかないうち」と申し上げて私の話を閉じさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


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