ここまで見てきた通り、「月着陸はウソだ!」と主張する証拠は、全て月面の特殊な環境、我々の常識からかけ離れた環境などのせいであるということがお分かりいただけたかと思います。皆さんも、ちょっと想像力をたくましくすれば、あるいは冷静に考えてみれば、十分に理解できることばかりです。

それに、ちょっと考えてみてください。仮にNASAが写真やビデオを偽造して、全てのミッションをでっち上げたとしましょう。そうすると、「回収された」という380kgの月の石(地球ではみつかっていない鉱物も含まれています)、7年間にわたって記録された月震のデータ、それに数多くの科学的なデータまで偽造しなければなりません。

何よりも、アポロ計画で月面に設置されたレーザ光反射装置を使って、私たちは今でも月と地球の距離を非常に正確に測ることができるのです。このことはどうなってしまうのでしょう。写真だけに目を奪われていると、全てを否定しなければならなくなってしまいます。

でっち上げるなら、7回も月に行かなくても十分でしょう。1回行った「証拠」をねつ造すれば十分なわけですから。途中でアポロ13号のような大事故を起こすこともないですし、予算を「無駄遣い」する必要もありません。計画を途中で変えることができなかったというのなら、アポロが18号以降中止になったのは、なぜなのでしょう。

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月というのは、私たちが知らない、不思議な環境です。
私たちは、ふだんは、空気がなく、重力が6分の1で、しかも太陽が上空にぎらぎらと照っているのに空が真っ暗、なんていう環境に住んではいません。

私たちの常識、あるいは知識と違う現象に出くわしたとき、それを否定して、ウソだ、というのは簡単です。しかし、それではそこで全てが止まってしまいます。
なぜ違うのか、それを考えていくことから、科学が進んできたのです。
アポロが(もちろん月面で!)撮影してきた映像やデータから、月がどのようなところか、分かりつつあります。そして、もうちょっと近い将来には、私たち自身が、その月の環境を体験できる日がやってくるでしょう。
もう一度、あなたの想像力と論理の力で、アポロの写真を眺めてみてください。

普通じゃないところ、それこそが月なのです。
それを不思議だ、と思うことが大切なのです。

【J】

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「月の雑学 第3話」は、いくつかのページを除き、Phil Plait氏によるサイト"Bad Astronomy"内にある、"Fox TV and the Apollo Moon Hoax"の内容をもとにしています。 「月の雑学 第3話」を作るにあたり、翻訳及び内容の使用を快諾していただいたPhil Plait氏、及びサイトの内容をご紹介いただいた、MITの石橋和紀さんに感謝いたします。
 なお、「月の雑学 第3話」の内容につきましては、Phil Plait氏は責任を持ちません。記述内容についてはあくまで、月探査情報ステーション主催者が責任を負うものとします。

 


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