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ビーナス・エクスプレス 探査の概要

金星は、「地球の兄弟星」「双子星」と呼ばれ、昔から地球に似ていると考えられてきました。しかし、1960〜1970年代に米ソによって行われた金星探査によって、その表面が90気圧、470度もの高温になる地獄の世界であることが明らかにされました。
1980年代に入り、アメリカのマゼラン探査機がレーダを使って金星の地形などを詳細に調べ、また探査による解析によって、様々な不思議な事実が分かってきました。
これらの探査にもかかわらず、金星はまだまだなぞの惑星であることには変わりありません。例えば、金星は太陽系の惑星の中で唯一逆方向に自転し、その時点周期も243日と大変ゆっくりしたものです。しかしなぜこのようになってしまったのかは、まだ分かっていません。
また、これだけゆっくりした自転をしているにもかかわらず、4日間で金星を一周するような強い風(スーパーローテーション)が吹いているということも明らかになっています。このように、金星、特に金星の大気については、まだまだ解明されていない事実がたくさんあります。

ビーナス・エクスプレスでは、金星を上空から詳細に調べ、様々な金星のなぞを明らかにすることを目的にしています。金星大気の運動のメカニズムや雲ができる様子、またその雲の詳細な性質の解明、金星に水や硫酸、二酸化炭素の循環があるかどうか、金星表面が短い周期で新しくなっている謎など、大気を中心に、地表の様子までの解明を目指して、探査を行います。