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ドーン 探査の概要

ドーンは、小惑星帯に飛行し、小惑星とランデブーし、その周囲を回る探査計画です。
小惑星は、「太陽系の生きた化石」といわれます。その理由は、小惑星は地球や火星のように大きくなく、誕生してから暖まったりすることがないため、誕生当時の姿、すなわち太陽系ができたときの様子をそのまま残していると考えられるからです。
一方、これまで望遠鏡でしかみることができなかった小惑星に、最近探査の手が次々に伸び、その驚くべき素顔が明らかになってきました。日本の「はやぶさ」探査による小惑星イトカワの姿に全世界の人が驚いたのは記憶に新しいところです。
このような探査によって、小惑星の素顔がだんだん明らかになってきました。しかし、これまでの探査の多くは、地球の近くにある小惑星(地球近傍小惑星)が多く、火星と木星の間にある小惑星帯の小惑星は、詳しく探査されませんでした。これは距離の問題が大きなところでもあります。また、「大きな小惑星」はこれまで調べられておらず、小惑星そのものの成因もわからないままでした。
ドーンが探査するのは、小惑星帯の天体の中でもいちばん大きな準惑星セレスと、4番目に大きいベスタです。大きな小惑星になると形も球形をしていると思われますので、内部構造やコアの有無など、成因や進化に関わるデータが得られると期待されます。
ドーンでは、セレスとベスタの地表の様子や鉱物組成、元素組成、地形や重力場などの探査を行います。もちろん、これら2つの天体を詳細に探査するのは世界ではじめてで、大きな小惑星(準惑星)の姿を詳しく知ることができるでしょう。
もちろん、準惑星を訪れるというのも、世界ではじめての探査となります(ニューホライゾンズ計画では冥王星を訪れる予定ですが、到着は

ドーン計画は、低コストでの月・惑星探査を目指すNASAのディスカバリープログラムの第10弾のミッションとして計画されました。そして、低コスト(総コストは4億6600万ドル、日本円で約373億円。アメリカの月・惑星探査としては定額の部類に属する)での探査により、高い科学的成果を挙げることが目的です。
また、ドーン計画は、イオンエンジンを利用した長期間にわたる宇宙航行の実証も兼ねています。日本では「はやぶさ」がその実証に成功しましたが、アメリカもかつて「ディープスペース1」という探査機での経験もあり、将来の遠い天体の探査に向けた技術の確立という意味でも重要なステップとなります。
また、イオンエンジンを使用しつつ、天体への周回を行い、かつ1つの天体を離脱して次の天体へと向かい、その天体も周回するという、極めて複雑な探査を実施します。この部分も非常に大きなチャレンジとなります。


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