解説 2004年6月11日、カッシーニが土星へと飛行をしているときに、衛星フェーベの脇を通り過ぎて撮影した写真です。この写真からみると、フェーベは氷が主体となってできており、その表面には暗い物質がうっすらと覆っているようにみえます。小さく明るいクレーターがみえていますが、これは非常に最近になってできたものではないかと考えられます。この現象は、木星の衛星のガニメデのように、他の氷を主体とした衛星でもみられます。衝突物質がフェーベの表面に衝突した後、衝突によって新鮮で明るい物質(おそらくは氷)が地下から飛びだして、このようになったのではないかと考えられます。この他の証拠として、いくつかのクレーターの壁では、表面の暗い物質が下へと滑り落ちて、その下の明るい物質がみえている箇所があります。画像のいくつかの場所では特に明るい場所がありますが、これは露光がオーバーになっているところです。
今後、フェーベの密度を精密に調べることによって、この衛星がどの程度氷でできているかを科学者たちが知ることになると思われます。
写真の位相角は84度、フェーベからは約32500キロ離れて撮影しています。解像度は1ピクセルあたり190メートルとなります。
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