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マーズ・サイエンス・ラボラトリー
ローバーの着陸点

■着陸点は赤道付近、ゲール・クレーターの中
マーズ・サイエンス・ラボラトリーが着陸するのは、ゲール・クレーター(Gale Crater)というクレーターの内部です。火星の緯度、経度でいいますと、南緯4.5度、東経137.4度にあたります。
ゲール・クレーターは、直径が154キロメートルもある比較的大きなクレーターで、その中には、高さが5キロメートルにも達する高い山も存在しています。ローバー「キュリオシティ」が着陸する場所は、この山裾になります。
山は傾斜が緩いことから、このローバーでも上れるのではないかと見込まれていますが、山頂までたどり着くのは、探査期間が1火星年という長期間であっても難しいと思われます。
ゲール・クレーターは、火星の中では比較的高度が低い領域で、かつて水が蓄えられていたのではないかと考えられています。ちょうど、湖のようになっていたのではないかと推測されているのです。そのため、水に関連した痕跡、あるいは場合によっては生命につながる発見などがあるのではないかと期待されているのです。実際、他の衛星による上空からの探査では、水に関連した粘土鉱物や硫酸塩といった鉱物の存在が低い地域に確認されているほか、高い地域には、地下水によると思われる亀裂などもみつかっています。

ローバー「キュリオシティ」の着陸点
歴代の着陸機、ローバーの着陸点一覧。Phoenix=フェニックス、Viking 1=バイキング1号、Viking 2=バイキング2号、Pathfinder=マーズ・パスファインダー、Opportunity=マーズ・エクスプロレーション・ローバー「オポチュニティ」、Spirit=マーズ・エクスプロレーション・ローバー「スピリット」。現在活動しているのは、「オポチュニティ」のみ。
出典: Mars Science Laboratory Press Kit
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■60もの候補地から着陸点を選定
ローバー「キュリオシティ」の着陸点は、2011年7月に決定しました。NASAは、5年にわたる検討の結果、約60箇所の候補地点から、火星についての科学的な意義をもっとも満たせる場所として、このゲール・クレーターを選定しました。
選定にあたっては、150人にものぼる火星研究者が加わり、何回もの会合が開催されました。最終的に2008年に着陸地点は4箇所に絞られましたが(当初、マーズ・サイエンス・ラボラトリーの打ち上げは2009年に予定されていました)、これらの地点は他の探査機のデータなどが精力的に調べられたことで、火星でもっとも詳しく調べられた地点となっています。
実際、マーズ・リコネサンス・オービター (MRO)が撮影した超高解像度の映像を使い、石1つ1つを識別して、着陸点を選べるくらいだったとのことです。
また、科学的な意義という観点からは、その地点がどのような鉱物組成で成り立っているかも重要です。このため、MROのデータや、ヨーロッパのマーズ・エクスプレスのデータを元に、着陸地点の鉱物や岩石の組成などの検討も行われました。
結果として、4つの着陸地点とも着陸に支障となるような問題点はなく、最終的にゲール・クレーターは科学的な意味でもっとも意義のある場所という意味で選ばれました。


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