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はやぶさ2 目的の小惑星「1999 JU3」

現在、「はやぶさ2」が到達先として検討している小惑星は、「イトカワ」と同じ地球近傍小惑星である、「リュウグウ」というものです(正式名称としては、小惑星番号をつけて、「(162173) Ryugu」となります)。
打ち上げ当初は、仮符号である 1999 JU3 という名前のみが与えられていましたが、2015年7月〜8月にかけてJAXAにより名称公募が行われ、その中から10月に「リュウグウ」という名前が決定しました。この名前はもちろん、浦島太郎伝説の「竜宮城」にちなむものです。

リュウグウは、1999年5月10日、アメリカのリンカーン研究所が行っている小惑星観測プログラム「リニア」(LINEAR)での観測により発見された小惑星です。
この小惑星は、イトカワなどと同じ、地球近傍小惑星という、地球周辺を周回する軌道を持つ小惑星です。地球に割と近いところを回っていることから、「はやぶさ2」においても、到達しやすいということで、候補天体として選ばれています。

これまで、国内外の観測所で、いくつかの観測が行われ、その結果、1999 JU3については以下のようなことがわかってきました。

  • 自転周期は約7時間半(7時間37分38秒±21秒)。これは、約12時間の自転周期を持つイトカワよりも速い。
  • 自転軸の向きは黄経331±10度、黄緯20±10度。自転はイトカワとは異なり順行(通常の方向への自転)で、自転軸はほぼ横倒し。
  • 形はイトカワとは異なり、割と球状に近い形をしている。強いていうならサトイモに近い形である。
  • スペクトル観測からみる限り、この小惑星はC型と考えられる。
  • 絶対等級は約19等(18.892±0.02等)。
  • 直径は約920メートル(920±120メートル)。これは、さしわたしが540メートルのイトカワよりも若干大きいが、それでも探査対象としてはかなり小さい天体であることには変わりはない。
また、観測においては、「含水シリケイト」という、水を含んだ鉱物の存在が推定されています。これは観測によって発見されたりされなかったりしているため、実際に存在するかどうかは不確定ですが、もしリュウグウの表面が不均一である場合、そのような含水鉱物(水を含む鉱物)が表面に存在する可能性も0ではないといえるでしょう。

いずれにせよ、極めて小さい天体(小さいということは地球からみても暗いことを意味します)であるため、イトカワと同様、地球からの観測にはかなり限界があることがわかります。
一方、C型小惑星ということは、水や有機物など、より始原的な(昔からそれほど変質せずに残っている)物質が存在することが期待されます。また、大きさがイトカワより大きいため、表面は一様ではなく、いろいろな物質が存在する可能性もあります。
「はやぶさ2」による探査ももちろんですが、地球からの観測でもある程度姿が明らかになることが期待されます。



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