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編集長が行く 〜第39回月惑星科学会議〜

月惑星科学会議は、月・惑星科学の関係者の間ではLPSC (Lunar and Planetary Science Conference)と略され、もっとも権威ある学会として有名です。アポロ計画の時代にスタートしたこの学会は、現在では世界の月・惑星探査計画の成果や将来計画などを検討、議論する場となっており、世界中の月・惑星科学者が集まってきます。
今年も、3月10〜14日、テキサス州リーグシティ(ヒューストンの南隣の街)において、多数の科学者を迎えて開催されました。その模様をかいつまんでご紹介いたします。

学会会場(SSHR) 学会の会場は、NASAのジョンソン宇宙センターからほど近い、サウスショア・リゾート・コンベンションセンター。湾に面した美しいリゾート地です。実は、かつてはジョンソン宇宙センターの中で、LPSCが開催されていました。
今回は、第1日目の朝一番から、水星探査機メッセンジャーのフライバイに関する最新成果報告が開催されるということで、会場はご覧のように大入り満員の状態です(500人近く入る大ホールに立ち見が出ている)。朝8時半スタートにもかかわらず、皆さん早起きです。 第1日目・メッセンジャーセッション
メッセンジャーセッションで講演するシーン・ソロモン教授 そのメッセンジャーセッションの最初、基調講演で、メッセンジャーについて解説する、メッセンジャー計画のプロジェクトマネージャ、シーン・ソロモン教授。このあと、各機器担当や解析担当者から、1月のフライバイで得られたデータの最新報告が続々と発表されました。
今回のLPSCのもう1つの目玉は、何といっても月探査機「かぐや」。世界が注目するこのミッションに関するセッションが開催されました。写真は、そのセッションの最初の基調講演で、「かぐや」について全体解説を行う、加藤學・JAXA宇宙科学研究本部教授(「かぐや」科学プロジェクトマネージャ)。 かぐやセッションで講演する加藤學教授
かぐやセッションに詰めかけた聴衆 「世界が注目する」と書きましたが、その言葉は決して誇張ではありませんでした。会場には多くの出席者が詰めかけ、座りきれないほどでした。写真はその様子。立ち見の人も出る大盛況ぶりでした。また、セッションでは活発な質疑応答が行われ、関心の高さを物語っていました。
会場の入口では、「かぐや」に搭載されたハイビジョンカメラによって得られた月面の映像が、ハイビジョン映像としてデモンストレーション放映されていました。多くの科学者が足を止めて、映像に見入る姿が印象的でした。 ハイビジョン映像のデモンストレーション
ポスターセッション さて、最近の学会では、ポスターの形で発表を掲示して、参加者が限られた時間内で発表する「ポスターセッション」という形式が主流です。LPSCのポスターセッションは、会場の近くにあるフィットネスクラブの室内テニスコートとバスケットボールコートを借り切って行われました。
ポスターセッションでは、聞く側は興味あるポスター発表のところに行って気軽に聞くことができます。当然その際には飲みものを持ちながら、というわけで、会場の片隅にある飲み物コーナーでは、このように参加者が列を作って飲み物を待っていました。ちなみに、ビールなども配られていました…。 何はともあれ
ポスターセッション光景 角度を変えて、ポスターセッション全体の光景です。非常に多数のポスターが掲示されているため、限られた時間の中ですべてのポスター発表を見て回るのは不可能に近いといってよいでしょう。あちこちのポスターの前では科学者たちが互いに議論したり、挨拶したりする光景が見受けられました。
私(寺薗)もポスターセッションに参加していました。今回は発表すると同時に、月探査関係のポスター発表を回っていたのですが、写真はその一こま。多数の興味深い発表が行われ、将来の月探査への盛り上がりを肌で感じることができました。 ポスターセッション参加中の筆者

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