このブログでも何回か触れてきましたが、韓国は2020年に月に探査機を送る計画を持っています。この探査機は、各国が月・惑星探査に乗り出すときの「周回→着陸→サンプル・リターン」という順序を踏まずに、いきなり着陸(及びローバーによる月面探査)に挑むようです。
この15日に、韓国科学技術研究員(KAIST)は、この月面ローバーのプロトタイプモデル(試験モデル)を公開しました。

ローバー試験モデル

韓国科学技術院の月面ローバー試験モデル (朝鮮日報英語版より)

このローバーの大きさは、幅50センチ、長さ70センチ、高さは25センチで、重さは20キログラムです。朝鮮日報英語版では、(火星探査車の)「キュリオシティのような」というふうに書いていますが、比べるのであれば、1997年に火星に着陸したマーズ・パスファインダーのローバー「ソジャーナ」になるのではないでしょうか。ちなみに、2013年12月に中国が月に着陸させた嫦娥3号に搭載されたローバー「玉兔」は、重さが120キロあります。

なお、朝鮮日報英語版では、この韓国の月探査計画には韓国の6つの研究機関が関わっており、総予算は約76億ウォン(日本円で約8億4200万円)と見積もられる、と書いていますが、月探査全体の予算としてはあまりに少なすぎるので、ローバー開発予算ではないかと思われます。ただそれだとしても、私としてはかなり少ない額だと思います。

なお、これも韓国の月探査の記事で繰り返し述べていることですが、この韓国の2020年の月探査計画に関しては、予算の問題、ローバーや着陸機の開発の問題(ローバーができたからと行ってこれが月面を走行できる能力を持っていると証明されたわけではありません)、打ち上げロケットの問題(韓国はKSLV-2という、現在開発中の国産ロケットで打ち上げることを目指しているようですが、そもそもこのロケットの開発が大幅に遅れています)など、課題は山積しています。
そもそもがしっかりとした国産ロケット技術をまだ確立していない韓国が、なぜ月探査という、非常に飛躍した目標にこだわるのかが私としては不思議です。信頼できる性能を持ったロケットを開発したあとに月探査機を打ち上げるのでも決して遅くはないはずです。
しかも、2020年までもうあと5年しかありません。本来であればもう着陸機などの組み立てが始まっていてもおかしくない頃ですが、そのような話は聞こえてきません。

私自身は、この「2020年の韓国の月探査」は実現は難しいという見方をとっていますが、引き続き情報は収集していきたいと思います。