月・惑星掘削探査の動向
アメリカでは火星探査、日本では月探査が活発になってきています。両国はそれぞれ目的の天体を掘削探査するためにロボットを開発しています。
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NASAエイムズ研究センター(ARC)の火星探査センターのディレクターは生命体の痕跡を探すためのドリルを開発していることを明らかにしました。
火星での水の発見から生命の存在への期待が寄せられています。多くの科学者が水は火星表面下数千メートルにのみ存在すると考えています。そこで、NASAのエンジニアは、火星を深く掘りサンプルを採るモグラロボットを開発しています。
もし火星にかつて生命が存在していたとしても、表面は厳しい環境なので1km以上は掘らないと生命の痕跡は見つかりません。しかし、従来のドリルでは痕跡を掘り出す見込みはありません。大きな問題は、掘った穴が崩壊しやすいことです。そこで掘り進むにしたがって穴を強化するドリルの刃を開発しました。
開発しているドリルはシャフトをポンプで汲んだ冷たい火星大気で冷やす一方、先端を1500℃に熱します。 ドリルの先端はほとんどの岩石を溶かすので、ドリルを地下に押し進むとき周囲の多孔質の土壌を熱でガラス質に変えて固定します。NASAのディレクターBriggsは「このロボットの最大の利点は穴を自ら支える機能である」と言います。
ロス・アラモス国立研究所の試験では30mのバサルト土壌を難なく掘りました。
火星地質学者のBridgesはドリルの刃によって生命の痕跡のいくつかが破壊されるのではないかと指摘しています。彼は、生命起源の軽い炭素(12C)が豊富であることを発見したいのであれば、ドリルの温度は問題である」と話しています。
一方、NASAのディレクターBriggsはドリルで穴を掘った後に別の機械で穴底の周りを掘って熱に影響を受けていないサンプルを回収するとしています。
しかし、それには大変な注意が必要です。生命から作られた有機物を表面まで持ってくると直ちに二酸化炭素に変わるという指摘もあります。
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日本では東北大学工学部の吉田助教授研究室と宇宙開発事業団との共同研究によって月探査を目指した「モグラ型掘削ロボット」の開発を進めています。
「モグラ型」掘削のメリットは装置の全長より深い穴を掘れる点です。小型のセンサーや分析装置、カメラを搭載して地下の様子を調べます。
月で掘削探査を行う最大の目的はH2Oの存在を直接的に確かめることです。さらに、有機物の有無、組成を調べることによってのH2O起源を推定することも考えています。各深度でのH2O含有量を定量的に測定して月全体でのH2Oの埋蔵量を推定します。
もし月で水資源が得られることが明らかになれば、将来の有人月利用に向けて大きな力となるでしょう。
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