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フェニックス 探査の概要

■火星の土を掘り、氷を調べる
フェニックスは、火星の北極地域に着陸し、土壌や氷を調べるという探査計画です。
火星の表層のすぐ下には氷が存在するということが、これまでの火星周回衛星(特に2001マーズ・オデッセイ)の探査で明らかになってきました。しかし、土壌を実際に掘る探査はこれまで行われてきませんでした。
フェニックスでは、着陸機に備えつけられたロボットアームが、火星の表面を数十センチメートル掘削します。そして、そのアームに搭載された科学探査機器により、土壌の詳しい成分分析や氷の存在の確認などを行うことになっています。
これにより、火星の表層すぐ下にある氷の存在を確かめると共に、火星がかつて(あるいは現在)生命が存在できるような環境であるかを確かめることを目的としています。
フェニックスは、はアリゾナ大学の月・惑星研究所が中心となって計画を実施してきました。

■計画実現までの道のり
フェニックスは、「2007スカウトミッション」と呼ばれていた、小型の火星探査計画です。この「スカウト」(scout)とは、偵察や斥候といった意味で、低価格、小規模で行える火星ミッションの提案を募り、その中から1つを選定して実施するというスタイルになっています。
このスカウトミッションには4つの計画が提案されました。

サイム (SCIM: Sample Collection for Investigation of Mars)
「自由帰還軌道」(free-return trajectory)という軌道を利用して、火星からサンプルを持ち帰る計画。
アレス (ARES: Aerial Regional-scale Environmental Survey)
「アレス」とは火星の意味でもありますが、火星の低層大気の化学的な探査を行うためのミッションです。
フェニックス (Phoenix)
水や有機物、そして最近の火星気候を調査するため、その場で観測ができるような装置を火星の高緯度地域に送りこむ計画です。
マーベル (MARVEL: Mars Volatile Emission and Life Scout)
火星大気の光化学的な性質を火星全体にわたって調べます。それにより、火星の火山活動や水の循環などの解明が期待されます。
これら4つの提案を審査し、NASAは2003年8月に「フェニックス」計画を選定しました。


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