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月探査機
ルナ探査機(LUNA): 旧ソビエト連邦

 1957年10月4日に打ち上げられた、旧ソ連の人工衛星「スプートニク1号」に始まる米ソの宇宙開発競争は、1958年にはその目標を月をに移し始めました。アメリカの「パイオニア」の度重なる失敗を後目に、史上初めて月に到達(命中?)したのが旧ソビエト連邦の「ルナ2号」です(ルナ1号は月をそれて太陽を回る人工「惑星」になってしまいました)。その後、旧ソ連は「ルナ3号」が月近くを通過することにより、これも史上初めて月の裏側の撮影(約70パーセント)に成功しました。
 1960年代に入ると、有人月探査への発展を前提として、無人月探査のために米ソで次々と探査機が打ち上げられましたが、「ルナ9号」で初の月面軟着陸(1966.1)、「ルナ10号」で初の月軌道周回(1966.3)に成功と月に関する「史上初」は旧ソ連の「ルナ探査機」によってなされてきました。しかし、1969年史上初めて人類が月面に降り立った米国のアポロ11号と前後して打ち上げられたルナ15号は月面軟着陸には失敗(こちらは無人)、この後も月探査機や打ち上げの失敗が続いたため、結局、旧ソ連は有人月探査を断念したようです。
とはいっても、旧ソ連も月探査を完全にあきらめてしまったわけではなく、1970年以降もルナ16号〜24号までの無人探査機を送り続けました。特に「ルナ16号、20号、24号」は月面軟着陸後、月の岩石や土壌を再び地球へ持ち帰る「サンプルリターン」といわれる技術を無人で行いました。また「ルナ17号、21号」は「ルノホート1号、2号」と呼ばれる無人月面車を月面に降ろすことに成功しており、無人での月探査に関して様々な実績を残しています。
 このことに関して、旧ソビエト連邦はアポロ計画に比べて、同じ成果を得るにあたって費用と人命の安全について優位であったと主張していたようです。
データ
質量 ルナ2号:390キログラム
ルナ3号: 278キログラム
ルナ9号: 1583キログラム(着陸機: 100キログラム)
ルナ10号: 1600キログラム
ルナ11号: 1640キログラム
ルナ12号: 1625キログラム
ルナ13号: 1590キログラム(着陸機: ?キログラム)
ルナ16号: 5600キログラム(着陸機: 1880キログラム)
ルナ17号: 5600キログラム
  (着陸機: 1836キログラム/うちルノホート1号: 756キログラム)
ルナ19号: 5600キログラム
ルナ20号: 5600キログラム(着陸機: ?キログラム)
ルナ21号: 5600キログラム
   (着陸機: ?キログラム/うちルノホート2号: 860キログラム)
ルナ22号: 5600キログラム
ルナ23号: 5600キログラム(着陸機: ?キログラム)
ルナ24号: 5600キログラム(着陸機: ?キログラム)

年表  
1959.01.02 1号 A-1により打ち上げ。月をそれる。人工惑星化。
1959.09.12 2号 A-1により打ち上げ。9月14日「晴れの海」に命中。
1959.10.04 3号 A-1により打ち上げ。10月7日、月の裏側70%を撮影。
1963.04.02 4号 A-2-eにより打ち上げ。月からそれ人工惑星化。
1965.05.09 5号 A-2-eにより打ち上げ。月面軟着陸失敗。5月12日月面に衝突。
1965.06.08 6号 A-2-eにより打ち上げ。月からそれ人工惑星化。
1965.10.04 7号 A-2-eにより打ち上げ。月面軟着陸失敗。10月7日月面に衝突。
1965.12.03 8号 A-2-eにより打ち上げ。月面軟着陸失敗。12月6日月面に衝突。
1966.01.31 9号 A-2-eにより打ち上げ。2月3日、「あらしの海」に軟着陸成功。月面パノラマ写真を撮影。
1966.03.31 10号 A-2-eにより打ち上げ。4月3日、月周回軌道投入成功(350〜1017km)。
1966.08.24 11号 A-2-eにより打ち上げ。8月28日、月周回軌道投入(159〜1200km)。
1966.10.22 12号 A-2-eにより打ち上げ。10月28日、月周回軌道投入(100〜1740km)。
1966.12.21 13号 A-2-eにより打ち上げ。12月24日、「あらしの海」に軟着陸。写真および土壌データを取得。
1968.04.07 14号 A-2-eにより打ち上げ。4月10日、月周回軌道投入(160〜870km)。
1969.07.13 15号 D-1-eにより打ち上げ。7月17日、月周回軌道投入。7月21日軟着陸失敗、「危機の海」に衝突。
1970.09.12 16号 D-1-eにより打ち上げ。9月17日、月周回軌道。9月20日「豊かの海」に軟着陸。月面標本を採取。9月24日に旧ソ連領内へ帰還。
1970.11.10 17号 D-1-eにより打ち上げ。11月17日、「雨の海」に軟着陸。自動月面車「ルノホート1号」をおろし月面等を探査。
1971.09.02 18号 D-1-eにより打ち上げ。9月11日、「豊の海」への軟着陸失敗。
1971.09.28 19号 D-1-eにより打ち上げ。10月3日、月周回軌道投入(140kmの円軌道→77〜385km)。
1972.02.14 20号 D-1-eにより打ち上げ。2月21日「豊かの海」に軟着陸。月面標本を採取。2月25日に旧ソ連領内へ帰還。
1973.01.08 21号 D-1-eにより打ち上げ。1月16日、「晴れの海」に軟着陸。自動月面車「ルノホート2号」をおろし月面等を探査。
1974.05.29 22号 D-1-eにより打ち上げ。6月2日、月周回軌道投入。
1974.10.28 23号 D-1-eにより打ち上げ。11月6日「危機の海」に軟着陸。月面標本を採取に失敗。
1976.08.09 24号 D-1-eにより打ち上げ。8月18日「危機の海」に軟着陸。月面標本を採取。8月22日に旧ソ連領内へ帰還。
出典: 「スペースガイド1999」 (財)日本宇宙少年団編 丸善株式会社刊
「特集 宇宙探査機カタログ」 宇宙と天文No.1 誠文堂新光社刊
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ルナ探査機2

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