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月探査機
ルナーA(LUNAR-A):日本

※本プロジェクトは中止されました。

ルナーAは宇宙航空研究開発機構がM-V-2ロケットを用いて打ち上げを予定していた月探査プロジェクトです。
これまでの米ソによる月探査機は主として月の表面(地形や岩石による地質)を調査してきました。これに対して、ルナーAは月の内部を直接探り、月の起源や進化を解明するための鍵を得ようとするものでした。
ルナーAの特徴は、「ペネトレーター」と呼ばれる槍型のケースに入った観測装置が搭載されている点で、このペネトレーターは月軌道上で分離した後、月面へ落下し、地中の約2メートル前後の深さに潜り込みます。ペネトレーターには月震計(地震計)と熱流量計が搭載されており、複数のペネトレーターにより約1年間、月の内部構造を調査することになっていました。
ルナーAの母機は月周回軌道上を回りながら、ペネトレーターからの観測情報を集めるとともに、カメラ(LIC)が搭載されており、月表面の撮影を実施する計画でした。このカメラは将来の探査に必要とされる光学航法の技術情報取得を主目的としていましたがが、地形等の理学的な情報の取得も期待されていました。

しかし、ペネトレーターの開発が難航を極め、目標としていた2004年度の打ち上げが不可能となり、延期されました。その後、ペネトレーターの開発についてはある程度めどが立ったものの、先に開発されていた母船の劣化が激しく、修復、または再製作にもかなりの予算が必要とされることが明らかになりました。そのため、JAXA、宇宙開発委員会などでの議論を経て、2007年1月、JAXAはルナーA計画の中止を決定しました。
今後は、ペネトレーター技術を確立させ、将来的な国内外の月・惑星探査機への搭載を目指します。
データ
質量 550キログラム
姿勢制御 スピン安定
観測期間 約1年(予定)
イベント 月によるスイングバイを利用した軌道を用いて、月へ周回軌道へ到達。
月周回だ円軌道の近月点付近でペネトレーターモジュールを分離。月面へ貫入。
母船は周回軌道からデータ収集および、LIC(光学カメラ)による地形撮影。
出典:「スペースガイド1999」 (財)日本宇宙少年団編 丸善株式会社刊



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