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はやぶさ

「はやぶさ」に搭載されている機器

「はやぶさ」は工学試験衛星ですが、小惑星の理学的な観測を行ったり、新規の工学技術などを試験するため、以下に述べるような機器を搭載しています。

望遠カメラ (AMICA/ONC-T)

このカメラは、いわば「はやぶさ」の最も重要な眼ともいえるものです。「はやぶさ」は、飛行中はこのカメラによって目的地(イトカワ)を捉え、その情報をもとに自動で近づいていきます。このような、光学情報(カメラで捉えられた)をもとにして、目的地となる天体に近づく惑星間探査機は世界ではじめてのものです。なお、広報用カメラにはもう1つ、ONC-Wがあります。
一方、このカメラは、目的地(小惑星イトカワ)に到着すると、科学観測カメラとしての役割を持ちます。カメラには8枚のフィルターが取り付けられており、可視光線の範囲内で、特定の波長の光を観測することが可能になっています。このフィルターによる観測で、小惑星の表面全体がどのような物質でできているかを推定したりすることができます。また、カメラそのものの観測により、小惑星の形はもちろん、自転周期など、基本的な要素を測定することができます。
なお、このカメラは飛行用の装置と科学観測用の装置を兼ねており、「はやぶさ」が自立広報で飛行する際にも用いられるという特徴があります。飛行用(光学航法用)に使われるときは望遠カメラ(ONC-T)、科学観測用に使われるときは分光カメラ(AMICA: アミカ)と呼ばれます。

近赤外分光器 (NIRS)

近赤外分光器は、光の中でも近赤外線と呼ばれる、可視光線の領域に近い赤外線を測定する装置です。この装置は近赤外線の波長を連続的に分光(波長ごとに分ける)ことができ、AMICAと共に、小惑星の表面がどのような鉱物でできているのかを明らかにすることに役立ちます。

蛍光X線スペクトロメータ (XRS)

小惑星の表面には、太陽から発せられたX線が当たります。小惑星の表面にある物質、その中にある元素は、太陽からのX線が当たると、そのエネルギーにより、特定の波長のX線を発します。このようなX線のことを「蛍光X線」といいます。この蛍光X線は元素により波長が決まっているため、小惑星から発せられるX線(蛍光X線)を測定することで、どのような元素がどのくらいあるのかを知ることが可能になります。
この蛍光X線スペクトロメータは、この原理を利用して小惑星表面にどのような元素がどのくらい存在するのかを調べます。特に、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、チタン、鉄などの量を量るのに適しています。

このほかに、探査機に搭載され、着陸する際には小惑星の地表との距離を測定するために、レーザ高度計が使われます。この装置も、小惑星の形を調べるために使われ、この情報から、小惑星の密度や重力の強さなどを知ることができます。



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